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大統領府 警護処、グズグズした末にホン・ソッキョンに数十億の差益を抱かせた

原文入力:2012/05/07 08:24(3396字)

おかしな土地取り引きを覗いてみれば
ホン・ソッキョン "伝統教育施設用" 三清洞(サムチョンドン)国有地 落札
大統領府、警護を理由に通義洞(トンウィドン)‘彰義宮跡地’と対等交換
25億~53億差益…地階工事 許可‘特典’論難も



←地階工事許可 特典論議がおきているソウル、鍾路区(チョンノグ)、通義洞(トンウィドン)の彰義宮跡地で昨年10月遺物発掘調査作業がなされている。(上)6日午前、ソウル、鍾路区、通義洞の彰義宮跡地にに本格的な工事のための掘削機、穿孔機など工事装備が搬入されている。(下)ファン・ビョンウ韓国文化遺産政策研究所長提供、キム・テヒョン記者 xogud555@hani.co.kr

 大統領府がホン・ソッキョン中央日報会長のソウル、鍾路区、三清洞の土地を買い入れる代わりに、通義洞‘彰義宮跡地’を渡す‘土地交換’を行ったことについて各種の疑問が後を絶たない。 今回の土地取引は大統領府と有力報道機関社主の間に行われたもので、ホン会長が国家と土地取引をする過程で25億~53億ウォンの相場差益を得たという点で一般の注目を引くのに充分だ。

■なぜ、ホン会長は三清荘を買ったのか?

 まず問題になったソウル、三清洞の土地1544㎡(468坪)は日帝強制占領期間に親日派ミン・ヨンヒの末男ミン・キュシク氏の所有であったが、子孫が税金を払えなかったために国家所有となった。ここには建坪294㎡(89坪)の奥ゆかしい韓国式家屋があり‘三清荘’と呼ばれた。

 三清荘は大統領府に近接していることが‘欠点’だ。入り口の路地を大統領府警護処が警備しているため一般人の出入りは統制される。 したがって居住者だけが出入りする個人住宅目的以外には使途が殆どない土地だ。 ところでホン会長は2008年12月、資産管理公社の競売に参加して落札し、翌年2月には所有権移転登記を終えた。 当時の鑑定価格は78億6000万ウォンだったが、場所の特殊性故に入札流れを繰り返し40億1000万ウォン余で落札された。38億ウォン相当を安く買ったわけだ。

 中央日報側は伝統文化保存活動の延長線で土地を買っただけだと明らかにした。 この間、三清洞一帯で伝統文化保存活動をしてきたし、それをさらに体系的に行うための空間が必要だったところへちょうど物件が出てきたということだ。 中央日報関係者は 「三清荘に韓国料理や韓服などの伝統文化アカデミーを作るために建築許可を出したが警護処が遮った」として「むしろ中央日報側が被害を受けた」と話した。 落札とそれに続く土地交換を通じて利益を得たのではという指摘に対しては 「韓国式家屋を修理するなど別途お金がかかったので大きな利益はない」と釈明した。

■なぜ、大統領府は三清荘を確保したのか?

 今回の問題はホン会長が三清荘を教育文化施設として活用しようとする構想を大統領府警護室が止めようとしたことから始まった。 居住者数人だけが出入りする個人住宅として使うならば問題にならないが、不特定多数が出入りする教育文化施設ができれば大統領府警護処として大きな問題になるということだ。 三清荘周辺に個人住宅は今でも他に数軒ある。

 大統領府核心関係者は「ホン会長による落札が問題なのではなく、建物用途が問題だった」として「やむを得ず関連法に従い買い入れを推進せざるを得なかった」と話した。 '大統領等警護に関する法律'は警護施設の安全と警護施設周辺嘆願など避けられない場合には不動産を買いとれるとしている。

 大統領府が三清荘の買い入れを推進しながら大統領府と中央日報側の綱引きが1年ほど続いたという。 結局、ホン会長側が伝統文化保存活動ができる場所として三清洞付近の通義洞の土地を持って行き、大統領府は三清荘を確保する‘交換’がなされたのだ。

 これとは別に警護処が当初三清荘が競売に出された時にこのような状況を念頭に置かず国有財産に40億ウォン近い損害を負わせたという点で、警護処の道義的責任も探ってみなければならない部分だ。 パク・ジョンハ大統領府報道官は「ホン会長が経済的利益を得たかどうかはあずかり知らない」と語った。

 大統領府警護処は三清荘をどのように活用するかについては口を閉ざしている。 接待所として活用する可能性が高いという話だけが出回っている。 金大中政府以後、警護処安家は大幅に減ったが、依然として数ヶ所を維持していると知られている。

■ホン会長の土地だけに地階工事を許容?

 大統領府がホン会長所有の三清洞の土地と対等交換をした土地は朝鮮英祖が即位前に過ごした宮廷である‘彰義宮’跡だ。 彰義宮があった通義洞一帯に地階工事をするには事前に文化財庁の許可を受けなければならない。 文化財庁は発掘調査とともに文化財委員会専門家の検討会議を経る。 文化財を現地にそのまま保存したり移転したり記録に残したりもする。

 ホン会長の土地は‘発掘された遺構・遺物の一部を新築した建物に復元すること’という結論が出た。 地階工事を許可するものの、遺構・遺物を移しておき建物が完成すれば適当なところに再び復元するということだ。 近隣他の建物の地階工事が不許可になっている事例もあるが、大統領府と土地を対等交換したホン会長側に与えた特典ではないかという疑惑が起きる理由だ。

 昨年8月22日~12月15日の75日間にかけて発掘調査を行ったソウル文化遺産研究院は彰義宮の塀基壇とオンドル、各種白磁と陶器などを掘り出した。 これについて10~12月に3回の文化財委員会専門家検討会議が開かれた。 検討会議会議録を見れば‘彰義宮の領域であり、塀の位置と見られ、宮廷に従事する中人と西人が使った空間’と推定した。 彰義宮の食事を作る‘宮中の台所(水刺間・スラカン)’跡と見られるという見解も出てきた。 彰義宮のほか朝鮮前期の建物跡もあった。

 だが、専門家検討会議は3次会議で‘建物址と塀施設が良好に残っている部分を中心に現地新築建物に部分移転・復元しよう’と結論付けた。‘建物外部に遺構を展示し、一部遺構は外部壁材として活用する’というホン会長側の意見を受け入れたのだ。 現在、遺構・遺物は京畿道、華城(ファソン)の倉庫に移してある。 これに先立って通義洞35-○番地、35-○○番地などでは地階建築が制限されたのと相反する結果だ。

 チョ・ユジョン前国立文化財研究所研究所長は「ソウル市が保存原則を立てて、どの線まで開発が可能で、どの線まで保存するという大きな幹を定めなければ毎度このような論難が起きるだろう」と語った。ホン会長の土地の発掘調査を引き受けたソウル文化遺産研究院のパク・ジュンボム代表は「彰義宮の跡地ではあるが、塀と績心(建物支柱)は彰義宮と直接連結できる部分が不備だった」と話した。

■ホン会長、地価 25億~53億 相場差益

 ホン会長が三清荘と対等交換をして受け取った通義洞の土地は613.5㎡(186坪)規模で、昨年初の基準公示地価は27億7300万ウォンだった。 だが、実際の相場はこれよりはるかに高い65億~93億ウォン水準だ。 近隣の不動産仲介業者たちは‘坪当たり4000万ウォン’は確実だと語った。 ある仲介業者は「景福宮(キョンボックン)のすぐ横の道路沿いであることに加え、文化の町が形成されており非常に良い土地」とし「地下工事まで許可を受けたとすればいくら低く見積もっても坪当たり5000万ウォンは越えるだろう」と話した。

 ホン会長は2009年2月、三清洞の土地を40億1000万ウォンで落札し、結果的に2年間で最大53億ウォンの相場差益を得たわけだ。 大統領府側はこの土地の鑑定評価額は、78億6000万ウォンである三清荘と1億ウォン未満の違いしかないと明らかにした。

パク・キヨン、アン・チャンヒョン、キム・ジフン記者 xeno@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/531550.html 訳J.S