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検察の刃先はイ・サンドク議員に向けられるか

原文入力:2012/05/04 19:50(2011字)

←イ・サンドク セヌリ党議員が去る2日午後、国会本会議途中、目薬をさして顔をしかめている。 イ・ジョンウ先任記者 woo@hani.co.kr

[土曜版] 来週の質問 タンスの中の7億ウォン 出処捜査の雰囲気
これ以上引っ張ってはならない 7月に締めくくりか

 同じことがしばしば繰り返されると次におきることを予想しやすくなる。 韓国政治では大統領側近・親戚の不正がまさにそれに該当する。

 そんなことはほとんどが春に火が付いた。 1997年5月には金泳三 当時大統領の次男ヒョンチョル氏が拘束され、その5年後の6月には金大中当時大統領の次男ホンオプ氏が拘束された。 両者とも特定犯罪加重処罰法の斡旋収賄であった。 彼らは世の中が皆知っているように数年にわたり賑々しく‘実力者’の役割をした。 それでも大統領の任期末には処罰を受けることになったのは、他の色々な理由とともにその時が権力の‘黄昏期’であったためであろう。 12月に大統領選挙を控えた権力の時計は退く実力者に対し例外なく冷酷だった。

 李明博政府の代表的な実力者であるチェ・シジュン前放送通信委員長の拘束に続き、パク・ヨンジュン前国務総理室国務次長に対する拘束有無が来る7日決定される。 やはり斡旋収賄容疑だ。 彼らも数年間にわたり権力専横論難と不正疑惑を受けたが、大きな問題なく過ごした。 わずか二~三ヶ月前までは二人に対する検察捜査は遅々として進まなかった。 拘束にまで至ったのはついこの前だ。 チェ前委員長が拘束令状の前で「何かが大きく誤っている」と我を忘れるに値する。 権力の無常と豹変に対する彼らの体感時間は突然に速まっただろう。

 人々の視線はもうその後へと向かっている。 遠まわしに言うまでもなく、イ・サンドク セヌリ党議員と李明博大統領兄弟だ。

 パイシティ事件捜査だけでも色々な疑惑が新たに出てきた。 旧貨物ターミナル敷地に商店・事務室を作れるように用途変更がなされ、建築審議を通過する過程を調べれば、意識的に面倒を見たと疑うに足る情況が一つや二つではない。 そのような決裁と決定ラインに李明博当時ソウル市長とその側近がいた。 また、パク前次長は浦項(ポハン)地域の経済人を通じて黒い金を洗濯して保管したという古めかしい不正の鎖も疑われている。 そのような人脈は地域の盟主であるイ議員なしには不可能だった。

 検察は今や分かれ目に立った。パク前次長を経て直ちに‘次の山’へ向かうのかを決めなければならない。 検察首脳部は否定的な雰囲気だ。「追加端緒が出てくれば当然捜査する」と言いつつも、そのような端緒がまだ足りないという態度だ。 来週にはパイシティ事件捜査を終わらせるつもりだという言葉も出ている。少なくともこの事件からは別の実力者が出てこないという言葉だ。 外から見れば相変わらず様子見や速度調節と見えることになる。

 それでも検察がここでそのまま止まりそうでもない。 イ議員は営業停止された貯蓄銀行から救命請託と共に4億ウォンを受け取った疑いで最高検察庁傘下貯蓄銀行不正合同捜査団の捜査対象に上がっている。 自宅のタンスの中から発見された7億ウォンの出処捜査も合同捜査団に任された。 検察は去る二ヶ月間、これら事件には手を付けずに来た。今や再び覗いて見る時になったという雰囲気が検察内で感知される。 早ければ来週後半からイ議員に対する捜査が再び本格化することもありうる。

 検察の時計は4・11総選挙を基点に明確に速まった。パイシティ捜査はわずか半月余で頂点に向かって駆け上がっている。 その間に変わったことは、朴槿恵セヌリ党非常対策委員長という未来権力の現実化だ。 これに伴い退場する権力の検察掌握力は弱まった。 それでなくとも今の検察首脳部は大統領の大学同窓、BBK捜査などの縁のために権力核心に対して本質的な限界があるという疑いをかけられてきた。権力の急激な凋落はそのような鎖を解く機会であろう。検察改革議論に備えて将来の備えを考えなければならない境遇からも、過去との距離をおくなり、未来のための布石は必要だろう。

 側近不正に対する検察捜査は7月以前にひとまず終えられるものと見られる。これ以上引っ張れば大統領選挙にややもすると影響を及ぼしかねないという憂慮のためだ。 現実的な理由もある。 検察は7月に大規模人事を控えている。 かなりの捜査は人事前に終えるのが慣行だ。 その時まで検察の時計はどれほど速く回るのだろうか。

ヨ・ヒョンホ社会部先任記者 yeopo@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/531325.html 訳J.S