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狂牛病 肉眼検査は‘目くらまし’

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/530305.html

原文入力:2012/04/27 20:35(1308字)

死んだ赤身の肉では確認不能
危険を防げるのは輸入中断のみ
政府 "SRM 調べることが目的"

 米国産牛肉の輸入中断の約束を守らなかったわが国政府が、その代わりに徹底した検疫強化カードを持ち出したが、これもまた狂牛病因子を選び出すことはできない‘目くらまし’検査に過ぎないことが分かった。 また、農林水産食品部は‘輸入中断はしない’という決定を下す過程で、法的諮問機構である中央家畜防疫協議会の意見を聞く手続きを踏まなかったことが明らかになった。

 農食品部は去る26日、米国産輸入牛肉に対する‘開封検査’比率を平時の3%から30%に高めたのに続き、27日には再び50%まで高めた。 ソ・キュヨン農食品部長官は26日記者懇談会で「検査を強化したので(狂牛病の危険は)全く心配することがない」と強調した。

 しかし、畜産物の検疫検査を総括する農林水産検疫検査本部関係者はこの日 「狂牛病因子は生きている牛の脳を通じてのみ検査が可能だ。ところが現在の開封検査は米国産牛肉を入れた包装箱内に赤身の肉の他に特定危険物質(SRM)が入っていないかを目で調べる‘肉眼検査’に過ぎず、狂牛病因子を確認することとは全く関係ない検査だ」と話した。彼は 「死んだ赤身の肉では狂牛病因子を確認すること自体が不可能だ」として「このため国民の不安が大きくなる場合(狂牛病危険の)源泉的遮断のためには輸入中断や検疫中断措置を取る」と説明した。

 これに対してヨ・インホン農食品部食品資源政策室長は「私たちが食べる赤身の肉には狂牛病因子がないのに、なぜ狂牛病調査をするのか」として「ひょっとして混ざっているかも知れない特定危険物質を選び出そうということが開封検査のカギ」と反論した。

 しかしパク・サンピョ‘国民健康のための獣医師連帯’政策局長は「狂牛病にかかったとすれば、その牛全体を特定危険物質とみるべきなのに、赤身の肉は安全だから食べてもかまわないという政府は我が国しかない」と批判した。 日本政府も世界動物保健機構に送った公式文書で「狂牛病が進めば赤身の肉や牛乳、末梢神経にも狂牛病因子が入っている可能性がある」という見解を明らかにした経緯がある。 政府は2008年5月に農食品部長官と保健福祉家族部長官共同名義で「米国で狂牛病が発見されればすでに輸入された牛肉も全数調査する」と約束したが、これもまた守っていない。

 また、現行家畜伝染病予防法は輸入を中断したり再開する場合、中央家畜防疫協議会の意見を聞くように定めているが、農食品部は今回‘輸入を中断しない’という決定を下しながら、これを経ていないことが確認された。 農食品部関係者は「必ず踏まなければならない手続きではなく、発生翌日である26日に一部委員らと非公式懇談会を持った」と話した。

キム・ヒョンデ先任記者 koala5@hani.co.kr

原文: 訳J.S