原文入力:2012/04/23 22:00(2193字)
北韓‘まもなく特別行動’異例的威嚇
‘一旦始まれば3~4分’明らかに
休戦ライン 配置 長射程砲 挑発?
全面戦争招来…可能性低い
電気施設など攻撃 予想も
北韓が23日、李明博大統領と一部保守言論媒体に対し‘革命武力特別行動’を始めるとして異例的に強い表現で通告した。北韓のこのような反発は金正恩体制の公式スタート、北韓のロケット発射と失敗直後に出てきたという点から注目される。 北韓は21日から李明博大統領に直接向かって‘ネズミ○○輩党’と指し示すなど露骨な非難を浴びせている。 非難の範囲もイ大統領のロケット発射費用言及(16日ラジオ演説)と北韓挑発の可能性言及(19日国防科学研究所),北韓農地改革発言(20日統一教育院特講)等、最近の発言をほとんど全て合わせている。
■特別行動警告 なぜ出てきたか?
北韓の度を越したような刺激的非難は、李大統領の最近の発言が北韓体制の正当性に対する直接的な攻撃だと感じたためと見られる。 特に北韓の最近の対南非難は権力交替期にある北韓の特殊性を反映しているという分析が多い。 従来から北韓は最高指導者や体制に対する批判には敏感だが、今は権力交替期にあるため外部の小さな刺激にも鋭敏に反応するということだ。 チャン・ヨンソク ソウル大統一平和研究院専任研究員は「李大統領の統一教育院演説は何か棘があるように聞こえる」として「北韓としては韓国政府が権力交替期の北韓政権と体制を揺さぶろうとする意図があるのではないかと考える可能性がある」と話した。
北韓はロケット発射を強行した後、国連安全保障理事会の制裁に直面している。 このように国際的に孤立無援に追いやられた状況が、北韓をより一層激烈な反発へ推し進めた可能性もある。 匿名を要求したある専門家は 「北韓のロケット発射強行後‘これ以上、北韓との対話はない’という米国の強硬ムードなどを考慮する時、北韓の立場としては李大統領の発言の裏に米国の意中が隠れているのではないかという疑問を持ちうる」として「今回の対南非難はそれに対する警戒心でありうる」と話した。
北韓がロケット発射以後、内部問題や国際関係を解決して行く上で韓国を犠牲物とみなそうとする意図も伺える。 ヤン・ムジン北韓大学院大学校教授は 「北韓としてはロケット発射問題と関連して国連や米国と対立するよりは、韓国と葛藤する構図に進もうとしているのではないかと考える」と話した。
南北間のこのような緊張局面造成の責任が南北双方にあるという指摘も出ている。 キム・ヨンチョル仁済(インジェ)大教授は 「南北関係で問題が発生するのは無条件に相互的な理由と見れば良い」として「北韓であれ南韓であれ、李明博政府任期内には南北関係に進展は無いと見て、国内政治的目的で刺激的な暴言を吐き出している」と語った。
李大統領の発言に暴言で対応
金正恩体制 結束強化の布石
ロケット発射後、国際関係膠着
‘韓国を犠牲羊と見なしたか’の分析も
■特別行動の内容は何か?
北韓は報復のための‘革命武力特別行動’が何なのかについて具体的に言及しなかった。 今回の特別行動の主体として明示した北韓人民軍最高司令部特別作戦行動小組も知らされた情報が殆どない。 軍関係者は「なじみがうすい組織」と話した。小組は‘タスクフォース’に似た概念であると知られている。 目につく点は、特別作戦行動小組の所属が対南工作を担当する偵察総局などではなく朝鮮人民軍最高司令部だということだ。 最高司令部は戦争のための機構であるためだ。
このことに照らしてみれば、軍事的挑発の可能性があるという観測が出てくる。 北韓は「革命武力特別行動は一旦開始されれば3~4分、いやそれよりさらに短い瞬間に」目標物を焦土化すると明らかにした。 これは休戦ライン近隣に集中配置されたと知られた長射程砲を思い起こさせる。 長射程砲は発射1~2分内に首都圏を直接打撃できるためだ。 北韓が最近一線部隊に数百台を配置したことが知られた240㎜放射砲(多連装砲)がその代表的なものだが、射程距離が60kmに及び、城南市(ソンナムシ)までも打撃できる。だが、これは全面戦争を意味することなので、その可能性は高くなく見える。
北韓が特別行動の対象に個別報道機関を言及した点を考慮すれば、潜入を通じたテロの可能性も考えられる。また、挑発効果は十分に出しながらも全面戦争の可能性は低い潜水艦を通じた挑発も可能だ。この他にサイバーテロや電磁波攻撃、電気施設攻撃などを予想した専門家もいる。
しかし北韓が軍事挑発をする場合、概して予告なしで行うケースが多い。北韓が武力挑発を敢行する場合、それでなくても孤立無援に陥った北韓に対する国際社会の圧迫が一層深刻になることが自明だ。 こういう点を挙げて北韓が直接行動よりは単純な脅迫、警告に重きを置いているのではないかとの観測がさらに多い。
キム・キュウォン、イ・スニョク記者 che@hani.co.kr
原文: 訳J.S