原文入力:2012.04.18 20:32修正:2012.04.18 22:08(1461字)
金融労組、社側に「学資金無利子貸し出し」を要求
金属労組も元請け・下請け間不公正取り引き監視団を提案
現行法の「交渉対象は賃金・労働条件に制限」が" 障害物"
我が国の代表的な産業別労組が今年の賃金・団体交渉で、大学生の学資金無利子貸し出し、元請け・下請け格差解消、非正規職問題解決など社会の公共性を強化する内容を要求して立ち、注目される。 産別労組は大企業労組の利己主義と実利中心の労働運動を克服するための対案と見られている。
18の銀行を含む35の金融機関が加入している全国金融産業労組(金融労組)は17日、金融産業使用者協議会と開始した産別中央交渉で、家庭の経済が苦しい大学生約20万人を対象に授業料を無利子で貸し出そうという案を使用者側に要求した。 財源は労使が共同で用意しようと提案した。
高い授業料のために大学生の学資金貸し出しが大幅に増加している中で、都市銀行が無利子で学資金を貸すならば経済状況の良くない学生たちには大きな恩恵になろう。 現在の貸出金利は韓国奨学財団の場合、3.9%、貯蓄銀行が20%、貸付業者が30%ほどになる。 金融労組関係者は「高い授業料に対する負担を少しでも減らして学生たちが学業に集中できるようにしたい」として「金融圏の社会的責任を全うするためにして労使共同の社会貢献事業として提案したもの」と話した。 労組はまた、非正規職に対しても差別を禁止して、2015年末までに非正規職を全くなくそうという内容を使用者側に要求している状態だ。
14万人余りが加入している全国金属労組(金属労組)も社会問題に積極的に進んでいる。 労組は元請け・下請け間不公正取り引きを改善するために、労・使・政監視団を運営しようと社側に要求する予定だ。 金属労組関係者は「元請け・下請け労働者の労働条件格差が解消されるには不公正取り引き問題が必ず解決されなければならない」と話す。 金属労使は17日中央交渉の初顔合わせを行なった。今後毎週火曜日交渉を進める。
全国保健医療産業労組はどの病院も病床(ベッド)をむやみに増やす方式で競争が激しくなり患者に対する医療サービスの質が落ちているとして、地域別病床総量制実施を労使が共同で政府に請願しようという要求を使用者側に出す予定だ。 労組は近い将来要求案を確定し来月から本格的な交渉に入る。
しかし現行の法制度では、産別労組が非正規職など社会公共性の問題を要求しても使用者側は交渉に出る義務がなく、労働委員会調整や合法ストライキも不可能だ。 現行の「労働組合および労働関係調整法」は交渉と調整および争議行為の対象を賃金と労働条件とに厳格に制限しているためだ。 したがって、産別労組が賃金・団体交渉過程で要求案を獲得できるかどうか不透明な状態だ。
保健医療労組のイ・ジュホ戦略企画団長は「産別労組が賃金引き上げを要求してストに入れば合法だが、社会公共性強化のためにストをすれば不法になるのが今の法制度」として「産別労組の闘争が社会全体の利益へと進むためには、交渉・調整および争議行為の対象が拡大されなければならない」と話した。
キム・ソヨン記者dandy@hani.co.kr
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/528967.html 訳A.K