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"拉致女性、申告直後に殺害" 警察の説明も嘘なのか

原文入力:2012/04/08 19:15(1475字)

水原(スウォン)拉致殺人事件‘不良捜査・偽り説明’波紋
犯人 "明け方5時頃、首を絞めた"
胃腸内に残った食物にも関わらず
恐怖状況時には消化が進まず
警察の死亡推定時刻 論難

 京畿道(キョンギド)、水原市 20代女性拉致・殺害事件の被疑者が‘拉致・監禁6時間余りの後に殺害した’と述べたことにより、警察の不十分な申告対応と初動捜査を批判する声が大きくなっている。 被害女性K(28)氏が112に申告して警察が現場周辺を捜索した間にもこの女性が生きていた可能性があるためだ。 8日昼、水原市、八達区(パルダルグ)の犯行現場を訪ねたK氏の遺族たちは警察の粗末な対応に悔しさを爆発させ嗚咽した。

 被疑者ウ・某(42・在中同胞)氏は‘部屋を空けている間にK氏が警察に申告したようで、暴行した後、2日の明け方5時頃に首を絞めて殺した’と述べたと警察が8日明らかにした。 陳述が事実ならばK氏が1日夜10時50分頃に警察に112申告した後にも6時間以上にわたり生きていた計算だ。 警察は現場付近に出動したが捜索に失敗し、K氏は2日午前11時50分頃、遺体がひどく毀損された状態で発見された。

不十分だった初動捜査、隠蔽?
‘状況共同聴取’規定 無視
事件現場~基地局距離も
警察力動員時点も嘘

 警察はK氏が拉致される2時間ほど前に一緒にハンバーガーを食べたという友人の陳述に沿って、K氏の胃腸に消化されていない食物が残っていることを確認したと説明した。 警察関係者は「通常、食物が5~6時間後には完全に消化されるという点を勘案すれば、ウ氏の犯行時間は申告電話が受け取られた直後(1日夜11時頃)と見られる」と話した。 しかし専門家たちは「極度の緊張や恐怖に陥った状況では、食物の消化がきちんとなされないケースが多い」として「警察の死亡時刻推定に相当な誤差がありえる」と指摘した。K氏が殺害された時刻により警察責任論はより一層拡大するものと見られる。

 水原中部警察署が遺族たちの疑惑提起に対し、4~6日の捜査経緯について偽り説明を繰り返し非難世論が激しい。 警察はK氏の申告を受けた後、35人を急派して基地局周辺を捜索したと明らかにしたが、京畿警察庁による監察調査の結果。翌朝6時59分頃に34人が現場へ一歩遅れて検索に出たことがわかった。事件現場が基地局から半径500m外なので捜索が難しかったと言ったが、事件現場は基地局からわずか158m離れたところであることが明らかになった。 出動した警察官の一部は車両内で寝ていたという陳述も出てきた。

 京畿警察庁112申告センターは殺人・強盗・性暴行など凶悪事件が受け付けられればパトロールカーと無電網で事件状況を‘共同聴取’しなければならないが、警察無電網障害などを理由にこれをしていなかった事実も明らかになった。

 水原中部署はこの事件を単純性暴行事件と見て指揮部にまともに報告しなかった。 被害女性の112申告内容が含まれた録音収録は事件発生1週間後に京畿警察庁長に報告された。 警察は112申告センターを総括した京畿警察庁生活安全課長など5人をはじめ計10人を厳重問責する予定だ。

水原/キム・キソン記者 player009@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/527283.html 訳J.S