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MB 原子力発電所セールスの支障になるかと思った?

原文入力:2012/03/08 08:22(1739字)

国家情報院‘日本放射能警告など’遮った

国家情報院‘放射性物質 発表’に介入
"放射性物質は韓半島に来ない" 偏西風論を政略的に利用
‘微量 飛んでくる’環境科学院・KINSの研究結果 口止め

















  ↑ (左)ノルウェー大気研究所 (右)気象庁

 昨年3月11日に起きた日本、福島原子力発電所事故の翌日は、よりによって李明博大統領が原子力発電所起工式出席のためにアラブ首長国連邦(UAE)へ出国する日だった。 大統領府は原発事故が起きた翌日に歴訪に行ってもかまわないか意見を求めるためチョ・ソクチュン気象庁長を空港へ呼んだ。 昨年5月記者たちとの晩餐の席でチョ庁長はこのエピソードを紹介し 「日本原子力発電所事故による放射性物質の流入はないと報告して大統領は安心して飛行機に乗った」と話した。

 この時から政府ではいわゆる‘偏西風論’が確固たる位置を占めた。 北半球の中緯度では上空3~12kmに時速100~300kmの西風が吹いているので放射性物質は韓半島に飛んでこないということだ。 気象庁はこの日午後「福島原子力発電所から放射能が漏れ出ても日本列島の東側である太平洋に飛んで行き、我が国には影響がない」 という報道資料を出した。 政府では地域的な気圧配置と気流の動きに伴う放射性物質流入の可能性について話すことは次第にダブー視された。

 政府機関の中で大気拡散に関する予測能力がある所は気象庁、韓国原子力安全技術院(KINS),国立環境科学院の3ヶ所だ。 これらの機関は福島事故の直後、それぞれ大気拡散モデルを使って放射性物質の韓半島上陸有無を予想した。

 気象庁は一貫して放射性物質の韓国影響の可能性を否定したが、国立環境科学院は微量の放射性物質が韓半島に飛来するという結果を得た。 環境部高位関係者は「国家情報院が環境科学院に電話をかけ '各機関のモデリング結果を調べてみている’と話し、環境科学院は結果を知らせたと理解している」と話した。 その後、国家情報院の対外秘要請によりモデリング結果は廃棄されたとこの関係者は付け加えた。

 当時、環境科学院は4月初めに国内に知らされたノルウェー大気研究所のシミュレーションと似た結果を得たと伝えられた。 ノルウェー大気研究所は大気が気流の流れにより日本、東京南部に下り時計方向に韓半島南海岸に上がってくるという結果を出した。 国内の民間気象研究所である高麗大気環境研究所のチョン・ヨンスン所長も6日 「昨年4月頃、2回ほど日本から韓半島側に気流が向かった」として「幸い沈降気流が発生して放射能の大部分が海上に落ちた」と説明した。 また、彼は「(放射性物質が)気流により飛来する可能性はありうる」として「全く来ないということは科学的に不可能な話」と語った。

 韓国原子力安全技術院もノルウェー大気研究所と似た結果を得たが、非公開にしたことが一歩遅れて明らかになりもした。 ユン・チョルホ当時原子力安全技術院長は4月4日記者会見で「3月末、自らの模擬実験で(韓半島流入が)予想されたが、影響が大きくなかったためあえて公開しなかった」と告白した経緯がある。

 専門家たちは昨年3~4月に放射能拡散研究結果が国民に伝えられる過程で、選別され一つにまとめられたと指摘する。 偏西風の影響で高濃度の放射性物質が来ないのは事実だが、一時的な地域的気流変化による微量飛来の可能性まで排除したということだ。 環境科学院の事例を見れば、この過程で権力機関が介入した痕跡も顕れている。

 だが、当時韓半島にも極微量の放射性物質を含有した雨が降り国民の不安感は増幅された。

 キム・ヘジョン環境運動連合原子力発電所非常対策委員長は「李大統領が政治的功績として掲げた原子力発電所輸出・拡大政策に対する批判につながるかと考えて国家情報院が介入した」とし「国会次元で真相調査をしなければならない」と主張した。

ナム・ジョンヨン記者 fandg@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/522551.html 訳J.S