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“イ・ミョンバク政権, 文明逆走行 悲しい”

原文入力:2009-03-14午前11:54:09
‘後払い制民主主義’ 本出したユ・シミン前長官

ハン・スンドン記者

←ユ・シミン(50)前保健福祉部長官. 写真トルペゲ(石枕)提供.

ノ・ムヒョン政権の‘実力者’であったユ・シミン(50・写真)前保健福祉部長官が久しぶりに口を開き、政治と自分の周辺など世相に対する考えを特有の達弁調で吐露した。
「ノ・ムヒョン大統領と参加政府は時代的課題によく対応したが政治的には成功できなかった。」近著<後払い制民主主義>(トルペゲ編集)第2部の‘連合政治’というエッセイを彼はそのように始めた。

彼は12日「多数の国民の支持を得られず、参加政府の路線を継承できる政党または政治勢力を残すことができなかった。逆政権交代をやってのけた保守政府は参加政府の政策をほとんどすべての面で無効化させ断絶させた。多くの良い政策と成果も残したが、政治的な面ではすさまじい失敗を体験したというほかはない」と話した。ユ氏は主体的力量の限界の他に、経済の構造的両極化,“アルバイト言論から悪口言論に変身した一部巨大保守新聞ら”が主導した保守偏向の言論市場,そして米国の覇権主義外交政策を失敗の外部要因として取り上げ論じた。

ノ前大統領が任期末に「どういうわけか結果的に啓蒙主義に陥る誤りを犯したようで」という話をしたんだ。それが何の意味か尋ねたところ「啓蒙主義は国民が願うことを望む方式でするよりは、指導者が国民に必要でまた正しいと考えることに執着することと解釈する」としてこうした話を付け加えた。「一番良い政治は国民の心に従って治めることで、その次は利益で説得すること、道徳で説教すること、刑罰で威嚇すること、そして最悪は国民と戦うことという司馬遷の話に共感する。啓蒙主義は良いと悪いの中間程度にあることだと思う。ところが現政権は刑罰で威嚇して,国民と戦っている。」

イ・ミョンバク政権に対するユ氏の評価は辛らつだ。「大韓民国憲法に盛り込まれている民主共和国精神と国民基本権を破壊」という“文明逆走行”を敢行する現政権の“暗鬱だった独裁時代を再現する政治権力の浅はかな俗物的形態”に“憂鬱感”を越えて“悲しみと怒り”を感じている。まさにそれが‘ユ・シミンの憲法エッセイ’という副題がついたこの本を書いた理由の一つだ。

「2002年に企画したものだが、今や自由なからだになって書いたものだ。本来は1部で基本権条項を扱い、2部で憲法裁判所主要判例を扱おうとした。ところが昨年7月から今年2月まで文を書いている間に、イ・ミョンバク政府とハンナラ党が露骨に憲法を無視し国民基本権を弾圧する事態が起き、こういう問題に少しずつ言及して見たら結果的に政府批判本のようになった感がある。」彼が現政権「最悪の失策」として挙げるのは、南北関係を亡ぼしてしまったことだ。彼は「何故この時期に」日本側要求に応じてキム・ヒョンヒの公開記者会見まで斡旋したのか、政府の‘無思慮’を叱り、「国政に対してよく知らないようだ。一言でかわいそうだという気がする」ともした。

民主労働党を「最初の政党らしい政党」で評価するとし、自身の理念指向を‘進歩自由主義,社会自由主義’と位置づけた彼は、保守自由主義と地域主義に執着したヨルリンウリ党と民主党の敗着、保守政党らの“理念的偏狭さと浅はかさ”を批判しながらも「民主労働党と進歩新党などいわゆる‘進歩的政策政党’もやはり理念的偏狭さと硬直性という似た病気を病んでいる」と鋭く言い放った。「党内外で競争する政治勢力に対する道徳的非難の過激さと自己反省の不足が、あたかも理念的透徹の発露のように通用する限り進歩政党が国民の中に根をおろすことは今後もかなり難しいだろう。」

彼は参加政府に対する否定的評価に“落ち込んだ面もないことではないが”公職遂行機会を得たし最善を尽くしただけ“個人的にくやしさはない”として“評価の権限は国民にある”とした。

自称“精神的政治的流刑生活をしている‘内的亡命者’”というユ氏はこの頃「慶北大で毎週、‘生活と経済’を講義し、あちこちの大学街特講要請にも応じ残りの時間は本を書くことに噛り付いている」として”当分はこのように生きる計画”であり“格別なことがなければ今後もずっとこのように知識小売り商として生きるつもり”と話した。

ハン・スンドン選任記者sdhan@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/344107.html 訳J.S