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4年前‘チョン・ヨンジュ背任’追い立てた朝中東、‘無罪確定’には沈黙

原文入力:2012/01/17 21:00(2188字)
クォン・クィスン記者

検察捜査時は攻勢的に疑惑を既定事実化し
‘不利な判決’が出てくれば沈黙
朝鮮日報は1行も書かず

←朝鮮・中央・東亜など保守新聞は2008年、記事とコラムを通じてチョン・ヨンジュ前<韓国放送>社長の背任を既定事実化したり疑惑を煽った。当時チョン前社長の背任疑惑を扱った保守新聞の報道

 チョン・ヨンジュ前<韓国放送>(KBS)社長の背任疑惑に対して、最高裁が去る12日無罪確定判決を下した後、チョン前社長は‘政治検察’とチェ・シジュン放送通信委員長の責任を問うた。 当時チョン前社長の解任工作に加担した国家機関が多かったが、その中で無理に起訴を押しつけた検察と解任を主導したチェ委員長の責任が大きいという意だった。

 それでは責任を問う対象は国家機関だけであろうか? 当時の状況を復碁してみれば、朝鮮・中央・東亜など保守新聞も責任を避け難い。 最高裁確定判決後<朝鮮日報>はこのニュースを翌日の新聞で1行も報道しなかった。<東亜日報>と<中央日報>は短く報道した。 4年前に検察の背任捜査局面で見せた天を突き刺すような攻勢的論調とは対照をなす。

 検察が2008年8月21日チョン前社長を背任容疑で不拘束起訴しながら前面に掲げた論拠は、韓国放送が1審裁判で勝ち2448億ウォンの税金払い戻し受けることができたのに、チョン前社長が再任を目的に赤字を埋めるため2審裁判所の調整を受け入れ556億ウォンしか返してもらえなかったということだ。 裁判所の調整を受け入れたことが再任するために会社に損害を及ぼした犯罪行為に化けたのだ。 当時、韓国放送理事会がチョン前社長の解任を申し出る際に主に掲げた理由もまさにこの背任の疑いであった。

 朝鮮・中央・東亜はチョン前社長の背任を既定事実化する記事と社説を検察起訴以前から吐き出した。

 検察の無理な起訴決定にこれら保守言論の論調がどんな形であれ影響を及ぼしたという推論が避け難い背景だ。

 "KBS チョン・ヨンジュ氏、社長を続けるために国民に1500億の損害を及ぼしたのか。" 朝鮮日報の7月19日付社説のタイトルだ。朝鮮はこの社説で「チョン(ヨンジュ)氏の行為は国民に対する背任だ。 このような人をどうして公営放送社長の席に座らせておけようか」と書いた。

 東亜も背任容疑に加勢する記事を量産した。 韓国放送前労組委員長の陳述内容を土台に書いた 「税金払い戻し訴訟を取り下げて赤字を埋めるとは思わなかった」(7月4日付)を始め、△ ‘数千億台背任容疑’検察捜査に力を加える(8月6日付) △ "税金1000億払い戻し可能" KBS文書確保(8月13日付) △ "背任金額あまりに大きく私企業社長なら拘束モノ" (8月14日付) △ "背任金額大きく5年以上の懲役‘特別経済犯罪加重処罰法上の背任容疑’適用(8月21日付)等の記事でチョン前社長の背任疑惑を膨らませた。

 中央も例外ではなかった。この新聞が7月22日付社会面3段で処理した記事の題名が "チョン・ヨンジュ社長、席を守るために1784億株" であった。 チョン前社長に批判的な韓国放送公正放送労組の声明(チョン社長‘背任疑惑’真相をはがす)を大きく扱ったのだ。

 最初から検察の積極的な捜査を注文することもした。 チョン前社長が検察の4回目の召還に応じないと見ると「検察まで不法を不法と見ず、出なければならない時に出ないならば崩れた法治は永遠に立て直せない" (朝鮮7月1日付論説委員コラム‘検察総長の節制と品格’)とし、事実上強制拘留を注文した。 8月5日付に同じ筆者が書いたコラム(様子見は検察中立ではない)では「今回の捜査はちょっと見ても一般的な捜査とは違う姿」であり「検察は被疑者が3回召還に応じなければ直ちに逮捕令状の発給を受けて逮捕してきた」として 「起訴してしまえば良いのに、ためらっている」と主張した。

 チョン前社長は<ハンギョレ>と行った通話で「被疑事実を報道する時、完全に罪人だと既定事実化し人格殺人を行い、自分たちに不利な判決が下されてくれば隅っこにそっと隠して出したり無視する態度は低質なマスコミの典型的な歪曲」と明らかにした。彼は「法曹取材慣行が裁判所判決中心に変わらなければならない」として「検察が投げかける餌だけを持って記事を書いてはならない」と付け加えた。 イ・ヨンソン韓瑞大新聞放送学科教授は 「朝鮮・中央・東亜は準司法機関を自認して政略的判断により結果を予断する報道をしている」として「真実の有無には関心がなく有不利を計算して不利ならば‘無報道戦略’を使っている」と批判した。

 この日、朝鮮日報社会部のあるデスクは<ハンギョレ>と行った通話で‘4年前に大きく報道した事案の無罪確定判決をなぜ報道しなかったのか’という問いに「私は言うべき言葉がない。 会社側に尋ねろ」とだけ答えた。 会社側は返事を出さなかった。 クォン・クィスン記者 gskwon@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/media/515165.html 訳J.S