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北‘クーデター不可能’の理由

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/511987.html

原文入力:2011/12/26 21:43(1316字)
イ・スニョク記者

① 軍・党すでに一体化  ② 実力者老齢化  ③ 幾重もの監視  ④ 地形上クーデター困難

 金正日北韓国防委員長の死亡発表から一週間を過ぎて、関心の焦点が金正恩労働党中央軍事委副委員長の順調な政権継承に移っている。 按配された後継体制に対する反対や突発状況に対する話は見当たらない。 同じ独裁国家ながらも混乱期に軍部が前面に出たリビアやエジプトなどと異なり、なぜ北韓軍部は静かなのだろうか?

 専門家たちは先ず軍部と政権核心部の一体化を挙げる。 代表的な例として、金正恩が副委員長である労働党中央軍事委員会にはリ・ヨンホ(副元帥)総参謀長とキム・ミョングク(大将)総参謀部作戦局長、チョン・ミョンド(大将)海軍司令官、リ・ビョンチョル(大将),ユン・チョンニン(大将)護衛司令官、チェ・ギョンソン(上将) 11軍団長など軍の要職にある人々が大挙して含まれている。 政権(党)首脳部と軍首脳部が事実上一致するわけで、軍の政治介入が制度化されているという話だ。 これは普段から軍部の意向や意志が国家の最高意志決定過程にそのまま反映されることを意味しているという分析だ。

 老齢化も一つの要因として議論される。 多くの国でクーデターは少壮派将校が起こす。 1961年の5・16クーデターも当時35才だったキム・ジョンピル前総理が44才だった朴正熙前大統領と手を握って起こした。 ところが北韓では軍部実力者がほとんど60~70代だ。軍部の最高実力者と言われるリ・ヨンホ総参謀長の場合、昨年9月に金正恩副委員長と共に党・軍の要職に抜擢され、金副委員長を支える新進勢力に浮上した当時すでに年齢が68才だった。 位階秩序が比較的厳格な軍内部で南側の基準ではすでに引退年齢を越えた人々が実権を有しているということだ。 また強力な監視体制も見逃せない。 北韓軍では総参謀部が軍事作戦を総括し、人民武力部が軍関連外交や行政、軍需、財政などを管轄している。 更に総政治局が党の代わりに軍を統制し政治思想事業などを掌握して、韓国の機務司に相当する保衛司令部が反体制人士などを取り締まっている。 強度の高い監視と牽制が制度化されているわけだ。 その上、平壌の中心部である中区域と牡丹峰(モランボン)区域は大同江(テドンガン)で囲まれていて、地形的にもクーデター防御に有利だ。 その上、忠誠度の高い護衛司令部(韓国の警護処に相当)と平壌防御司令部(韓国の首都防衛司令部に相当)所属の10余万の兵力が鉄壁の防御を敷いている。

 匿名を要請したある専門家は「政権樹立者や支配階層の利害を保護するために軍隊が創設された他の国々とは違い、北韓は軍部のルーツである抗日パルチザンが国を創設した主体」として「クーデターどころか‘3代世襲’を一番最後まで保衛する集団がまさに軍部」と話した。

イ・スニョク記者 hyuk@hani.co.kr

原文: 訳J.S