原文入力:2011/12/21 23:00(2039字)
イ・テヒ記者、イ・スニョク記者
国家情報院 理由ある‘情報空白’
北韓情報収集の核心‘ヒューミント’要員など200人 国内パートへ移動
海外で勤務する国家情報院の外交官‘ホワイト’ 50人も召喚させ
ウォン院長 "私たちは技術的情報分析" 人的情報網の失踪を認定
←金正日国防委員長の死亡事実を北韓発表以後に知った国家情報院の対北韓情報収集能力に疑問が提起されている。 写真は国家情報院の全景。 大統領府カメラマン団
ウォン・セフン国家情報院長が2009年2月の就任直後に3次長傘下の‘対北韓戦略局’をなくすなど、対北韓交流および情報機能を大幅に減らしていた事実が確認された。 北韓情報収集に核心的役割を果たしてきた人的情報収集網(ヒューミント・Human Intelligence)が無力化された主要原因の一つに挙げられる。
国家情報院の事情に明るいある人物は21日「ウォン・セフン院長が就任直後に3次長傘下の対北韓戦略パートを解体した」として「南北会談、南北非公開接触、交流協力をしていたパートだったが、それをなくした」と伝えた。「対北韓戦略パートには長期にわたり北韓問題を取り扱ってきた要員200人余りが勤務中であったが、実務者はほとんど国内パートへ転出し、高位級はほとんどが辞めた」と伝えた。ウォン院長は代わりに盗聴を中心とする科学情報と対北韓工作・心理戦分野を強化したことが分かった。
17代国会で情報委を引き受けたある野党要人は「MB政府スタート直後に国家情報院では海外に勤務中だった‘ホワイト’(相手国に登録した国家情報院所属外交官) 50人余りを一括召還し国内勤務に回した」として「彼らが現地で対北韓業務に従事していたのに、こういう過程を経て対北韓情報が大幅に弱まった」と話した。彼は「去る国会でキム・マンボク前国家情報院長が‘すべての情報機関の情報は90%が需要者の意思に伴う方法’と話した経緯がある」として 「当時キム・マンボク院長が盧武鉉前大統領の意思にともない情報を生産したとすれば、現在の情報体系は李明博大統領の意中に合わせて再編された」と指摘した。イ大統領の関心が北韓よりは国内政治に傾いた結果、国家情報院は対北韓情報収集より国内情報収集に重きを置くことになったということだ。 この要人は「2008年から国家情報院と機務司から検察・警察まで‘科学情報時代を開く’として途方もない予算を投じインターネット パケット盗聴、Eメール盗聴など盗聴装備を大挙購入した」として「結局このような投資にもかかわらず、対北韓情報網に穴が開けられたのはこのような盗聴装備が国内用に使われているためだと見なければならない」と主張した。
ウォン・セフン院長も国会で北韓内部の人的情報収集網が崩れた事実を認めた。 ウォン院長は去る20日、国会情報委で「私たちの情報は北韓権力側から流れ出る情報ではなく、技術的情報を分析して把握する情報」と話したと複数の情報委所属議員が伝えた。ウォン院長のこの発言に対して、議員らは「技術的情報だけに依存するならば‘金正日 歯磨き’等の情報はどうして出せるか。 権力側の周辺から出ない情報ならば辻褄が合わなではないか」と問い質したと伝えられた。金正日国防委員長が2008年に脳卒中と推定される疾患で倒れた後、政府側を出処として‘左手で歯磨きが可能なほどに回復した’という報道が相次いだ経緯がある。
ハンナラ党ではこのような人的情報網の崩壊が‘金大中・盧武鉉政府のせい’だと主張した。 ユン・サンヒョン ハンナラ党議員はこの日<韓国放送>ラジオ インタビューで「去る盧武鉉、金大中政府の時、これが(ヒューミント)完全に崩壊した」として「その後、これがまともに復元できなかった」と話した。 チェ・ジェソン民主党幹事はこれに対して「北韓のような閉鎖社会では常駐しながら情報を集めることは不可能なので、北韓に出入りしやすくしてこそ人的情報を集めることができる」として「李明博政府になって南北政府間対話だけでなく民間対話まで全て遮断されたせいで人的情報網が崩れた」と反論した。
国家情報院首脳部に情報専門家が不足しているという指摘も少なくない。ソウル市庁の公務員出身であるウォン院長は情報には門外漢の人物だ。そのために昨年6月リビア駐在大使館職員の身分だった国家情報院要員の身分露出、今年2月国家情報院要員のインドネシア特使団宿舎潜入露出波動などを経て「情報機関の基本が崩れたのではないか」という指摘も数多く出ている。
イ・テヒ、イ・スニョク記者 hermes@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/511222.html 訳J.S