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線路保守 下請けに転換…コレイル(韓国鉄道公社)“安全不感症”

原文入力:2011/12/20 21:44(1763字) キム・ソヨン記者、チェ・サンウォン記者 京義(キョンウィ)線など5路線で業者募集…今年だけで81人転換労組「作業疎通に問題…労働者・乗客の安全知らぬ振り」 コレイル(韓国鉄道公社)が安全と直結した線路のメンテナンス業務を下請け形態で民間に任せており、鉄道の安全が脅かされているという指摘が出ている。 全国鉄道労組は「列車が走る線路の場合、小さなミスも大事故につながる恐れがある」として「線路メンテナンス業務の下請け転換は、鉄道労働者の生命はもちろん乗客の安全を度外視したもの」と反発した。

  20日コレイルと鉄道労組の話を総合すれば、コレイルは京義(キョンウィ)線・安山(アンサン)線・慶全(キョンチョン)線・新港(シンハン)線・中央線の全区間または一部区間の線路メンテナンス業務を民間に下請けさせることにし、22日まで業者を募集している。 先にコレイルは今年前半期に中央線の忘憂(マンウ)駅~菊秀(ククス)駅と全羅(チョルラ)線の金池(クムジ)駅~東雲(トンウン)駅区間の線路メンテナンス業務を下請けに切り替えた。 コレイルの「一般鉄道線路メンテナンス請負化施行計画」を見れば、今年81人に続き来年にも168人を下請けに回す計画だ。


  しかし線路メンテナンス業務の下請け転換を巡り、安全性を憂慮する声が出ている。 鉄道労組関係者は「先日の空港鉄道事故に見るように、作業承認権限は元請けにあって作業権限は下請けにあるなど線路保守作業過程で業務主体が異なる場合、疎通がきちんとなされなくて安全問題が発生せざるを得ない」と言う。 専門性の不足も問題になっている。 コレイル所属の正規職は勤続年数が平均15年を越えるなど比較的専門性が高いが、下請け業者は3年単位で契約をするうえに、収益を上げるために経験不足の非正規職を採用するところが多いといわれる。 実際事故がおきた空港鉄道メンテナンス業務を請け負っているコレイルテックの場合、正規職は44人なのに対し非正規職は1171人にもなる。 去る2月の光明(クァンミョン)駅KTX脱線事故当時、原因となった線路転換機の修理も下請け業者の職員が行なったことが明らかになっている。


  線路メンテナンス業務の下請け転換はコレイルの慢性的な人材不足に由来している。コレイルはホ・ジュニョン社長就任後、営業収支改善のために「公企業先進化」政策により2012年までに定員を5115人減らすことに決めた。 このうち鉄道安全と関連のある現場メンテナンス人員は2958人(57.9%)にもなる。 現場の人員が不足して線路の安全点検と列車整備回数が減り、下請け転換も増加していると労組は説明した。 2005年1518人だった下請け人員は昨年5238人に増えた。 コレイルはKTXの顧客サービス業務から乗車券発売、電気設備、踏切安全管理などの業務まで、下請けを全方位的に使っている。 労組関係者は「不足した人員を下請け労働者で埋めている」と話した。


  コレイル側は線路メンテナンス業務を下請けに切り替えたからといって安全問題が発生しはしないだろうと見ている。 コレイル関係者は「下請けにすべての業務を任せるのではなく専門性のある公社職員が全体的な管理・監督をすることになる」と話した。 だが、コレイルが管理・監督をする場合“不法請負”になる可能性が高い。 裁判所は元請けが下請けを指揮・監督すれば請負を偽装した派遣と見ている。 労組関係者は「安全のために公社が積極的に管理・監督をすれば不法請負になり、疎かにすれば安全問題が発生する可能性が高く、どうすることも出来ない状況」として「下請け転換を中断しなければならない」と要求した。(訳注:別の記事によれば、京義(キョンウィ)線の線路メンテナンス外注化(民間委託)に反対して、鉄道労組の組合員たちがソウル駅で一週間座り込みを続けている。)


キム・ソヨン、チェ・サンウォン記者 dandy@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/511136.html 訳A.K