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大統領年俸の5000倍を懐に入れたトランプの「ホワイトハウス株式会社」【コラム】

トランプ米大統領が19日(現地時間)、米ニュージャージー州のニューヨーク・ニュージャージー・スタジアムで開かれた2026年国際サッカー連盟(FIFA)ワールドカップのスペイン対アルゼンチン戦決勝戦の表彰式を控え、競技場を見つめている/AFP・ 聯合ニュース

 米国大統領の年収はいくらだろうか。40万ドル(6500万円)だ。2001年のジョージ・W・ブッシュ大統領時代に年俸が20万ドルから40万ドルに引き上げられて以来、25年間据え置かれている。これに加え、個人経費として5万ドルを使用でき、旅費として10万ドルが支給される。その他、手当などもあるが、すべて合わせても100万ドルを超えない。

 質問を変えてみよう。米国大統領になれば、いくら稼げるだろうか。政治の発展の歴史が、金と権力の相関性を徐々に弱めてきたことを考えると、高度な民主社会である米国の大統領の年間収益は、年俸40万ドルにとどまるべきだろう。

 ところが、現実はそうではない。実業家出身で2期目を務めるトランプ大統領は、こうした期待と常識を打ち破る挑戦をしている。先月末、米国政府倫理局が発表したトランプ氏の昨年の総収入は22億ドル。年俸40万ドルの5千倍を超える。トランプ氏は一般市民だった2024年には6億ドルを稼いだ。大統領になってからさらに16億ドルを稼いだことになる。

 年俸の5000倍を稼ぐために、トランプ氏は巧妙かつ大胆に行動した。大きく分けて5つのパターンが見られる。本人の代わりに家族や側近を前面に出す。大統領選前あるいは就任前に事業を進める。法体系が精巧でない事業を活用する。内部情報を利用する。できることは何でも行う。

 このうち、最初の3つが組み合わさったのが仮想通貨(暗号資産)事業だ。トランプ氏の家族や側近たちは、大統領選の2カ月前である2024年9月、デジタル金融プラットフォーム会社を設立し、議決権などを売却した。トランプ氏は大統領選の過程で、米国が「仮想通貨の首都になる」と述べた。就任の3日前には、自ら公式のミームコインを発行した。これにより、トランプ氏は13億ドル(1兆9400億ウォン)を超える収益を上げた。これは、就任前に家族と共に蒔いておいた種を1年間かけて収穫した結果だ。トランプ氏の名声と影響力に惑わされて投資した人々は、彼が得た収益の数倍に及ぶ損失を被った。

 株式投資は、最高の情報力と決定権を持つ米国大統領にとってうってつけのビジネスだ。米国政府の主要な政策発表直前、トランプ氏の株式口座でかなりの取引が行われた。トランプ氏は株式を信託に預けており、自身は取引に関与していないと釈明したが、この信託にはトランプ氏の子供たちが関与している。情報が流れるルートができているわけだ。

 トランプ氏は自身の発言を売り物にする事業にも乗り出した。家族が設立したソーシャルメディア企業のアカウントを通じて主要な発言や発表などを発信しているが、このメッセージを1000分の1秒早く受け取れるサービスを提供することにした。アルゴリズムを用いて超短期売買を行う投資企業にとって、1000分の1秒早く情報を得ることは、莫大な利益を得るチャンスになると言われている。

 トランプ氏が露骨に大統領職を収益の創出に活用できるのは、米国の法律の抜け穴を利用したためだ。米国は公職者の利益相反を防ぐため、刑法で公職者が自身の利益に影響を与える業務に参加することを禁止しているが、大統領と副大統領は適用対象から除外されている。大統領の統治権限が、生死を分ける瞬間に利益相反防止のために阻まれる可能性があるという理由からだった。その代わり、米国大統領は慣例として株式を白紙委任信託(ブラインド・トラスト)に預けるなど、自ら利益相反防止に努めてきたが、トランプ氏は例外だ。物議を醸すとしても、刑事処罰を免れることができる現行制度を意図的に利用している。

 韓国の大統領がこのような方法で財産を増やしていたら深刻な事態になっていただろうが、米国は予想外に静かだ。米国の野党やメディアが問題を提起しているが、反響は大きくない。政治的二極化や、トランプ大統領が低くした道徳性のハードルなどが理由として挙げられている。米国議会の構図上、大統領の弾劾が難しい点も影響している。11月の中間選挙での勝利のために、トランプ大統領が死活を懸けているのもそのためだ。

 生涯を実業家として生きてきたトランプ氏に、最も成功した事業は何かと尋ねれば、おそらく2024年11月の2度目の大統領選での勝利を挙げるだろう。すでに4年間の経験があり、3期連続の当選ができない状況で、トランプ氏は万全の準備を整えて戻ってきた。任期はまだ2年半残っている。トランプ氏が進むほど、米国は後退していくだろう。

チェ・ヒョンジュン | 国際部長 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1269133.html韓国語原文入力:2026-07-21 16:40
訳H.J

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