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【社説】「内乱勢力」擁護する韓国与党、彼らと運命を共にするつもりか

登録:2025-03-17 08:29 修正:2025-03-17 09:12
与党「国民の力」のナ・ギョンウォン、イ・マンヒ、パク・トクフムの各議員らが12日、ソウル鍾路区の憲法裁判所前で、尹錫悦大統領の弾劾の却下を求めるリレーデモ中のユン・サンヒョン議員を激励している/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の拙速な釈放を機として、与党「国民の力」の内乱擁護と弾劾反対の攻勢がますます激しくなっている。尹大統領の弾劾審判の言い渡しを控え、極右勢力と共に憲法裁判所を露骨に揺さぶっている。遅滞なき尹大統領の罷免と国政の正常化を望んでいる大多数の民意に逆らう行為だ。

 ナ・ギョンウォン議員ら与党の82人の議員は12日、憲法裁に尹大統領の弾劾審判の却下を求める嘆願書を提出した。ナ議員は「たとえ戒厳が憲法違反または法律違反に当たるとしても、民主党の議会独裁の深刻さを考慮して棄却決定をして下さるよう求める」と述べた。あきれた詭弁(きべん)だ。自らも非常戒厳が重大な憲法違反、法律違反であることを否定する術がないとみて、筋違いにも野党に責任を転嫁しているのだ。いま弾劾審判を受ける対象は尹大統領でなく民主党であるとでも言うのか。彼らは「弾劾訴追事由から内乱罪が撤回されたため、弾劾訴追の同一性は失われた」ということを、却下すべき理由としている。すでに弾劾審判の序盤に憲法裁が、憲法裁判は刑事裁判とは異なると述べ、戒厳の違憲性と違法性のみを問うとして整理した内容だ。すでに出た主張を繰り返すこと自体が、この嘆願書が憲法裁判官に読ませるためではなく、尹大統領の熱烈な支持層に見せるために出されたものであることを物語っている。

 この日、憲法裁前で弾劾審判の却下・棄却を求めるリレーデモに参加する与党議員も60人に達した。これもまた、憲法裁前の過激なデモ隊に対して「自分たちもここまでやっている」という追従のメッセージを送ることが主な目的だろう。いやしくも政権与党なら、憲法裁の決定に服するよう、このような過激勢力を説得すべきであるにもかかわらず、真逆の行動を取っている。リレーデモの第一走者だったカン・スンギュ議員がこの日、国会で開催した「国民抵抗権セミナー」には、過激な弾劾反対派である塾講師のチョン・ハンギル氏が登場し、「(国民の抵抗権を行使するかどうかは)憲法裁の審理の決定によって変わりうるのではないか」と述べた。罷免が決定されたらそれに服さず、憲法裁を攻撃することもありうるという、事実上の脅迫以外の何物でもない。ユン・サンヒョン議員も前日、「民主党の立法独裁を阻止しよう」として、国会の解散と議員の総辞職を主張している。いま国会まで解散したら、その混乱をどうするつもりでこのような妄言を並べ立てるのか。

 にもかかわらず与党指導部は「議員たちの個別の行為に過ぎない」として傍観している。108人の議員の絶対多数が憲政破壊犯の私兵を自任して極右の懐に飛び込んでいるが、安易きわまりない。このような有様では、民主憲政の一員として遇される資格があるのか、疑問が膨らまざるを得ない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1186674.html韓国語原文入力:2025-03-12 18:20
訳D.K

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