尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が7日、龍山(ヨンサン)大統領室で日本の岸田文雄首相と52日ぶりに再び向き合う。安全保障や半導体サプライチェーン協力など、両国間の主要な関心事が幅広く議論されるが、特に福島原発汚染水の海洋放出問題も重要議題に含まれる。尹大統領には国民の憂慮を反映した明確な立場表明が求められる。岸田首相が歴史問題に対して謝罪するかどうかも、韓日の世論が注目している。
今回の会談について大統領室は「岸田首相は韓日関係改善を主導した尹大統領の勇気ある決断を高く評価し、これに少しでも応えるべく今回の答礼訪問を決心することになったと伝えてきた」と広報した。「答礼訪問」自体が「呼応」になるというのでは困る。どのような「呼応」をするかが重要だ。しかし、世論の期待は高くない。すでに前回の東京会談がどうだったかを見ているからだ。だが期待が低いからといって、「屈辱外交」をもう一度容認するという意味ではないことを肝に銘じなければならない。
今回の会談では、福島原発汚染水の放出問題が重要議題に上がる見通しだ。大統領室関係者は4日、「国民にとって重要な問題だと考えるなら、その部分を我々があえて懸案から外す必要はないと思う」と述べた。追い込まれてしぶしぶ答えたというような本音を隠しもしない。日本は放出に使われる海底トンネルの作業を先月完了し、来月頃に汚染水処理過程を検証した国際原子力機関(IAEA)の最終報告書が発表されれば、7月頃から放出が可能になるという立場だ。韓国は、日本政府のこのような主張を無条件に受け入れるのではなく、安全性がきちんと検証されなければ放出を強行してはならないという原則を明確にしなければならない。IAEAの調査に韓国の専門家が参加しているが、韓日間で別途科学的な調査などを行い、懸念事項を再び検証する必要がある。
強制動員被害についても「第三者弁済解決策」で日本に「免罪符」を与えたが、岸田首相は直接反省とおわびを明らかにしなかった。このようなかたちで進められる韓日関係の改善は持続可能ではない。日本の市民団体でさえ、岸田首相が今回の訪問で日本の過去の植民地支配に対し自ら反省とおわびを表明し、強制動員被害者にも謝罪しなければならないという要求を4日に表明した。
両首脳は3月の「トンカツ会合」に続き、今回は「炭火焼肉」の夕食会を開くという。重要な課題を覆い隠して「何を食べるか」ばかりに注目を集め、韓日・韓米日の軍事協力だけを強調することで「韓日関係が改善された」などと誇張しないことを願う。