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[社説]「アラブ首長国連邦の敵はイラン」尹大統領のきりのない「外交舌禍」

登録:2023-01-18 06:25 修正:2023-01-18 07:38
尹錫悦大統領が15日、アラブ首長国連邦(UAE)に派兵中のアーク部隊を訪問し、将兵の前で演説している/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の「アラブ首長国連邦(UAE)の敵はイラン」という発言に対し、イラン外務省が直接反発した。複雑な中東情勢に無知で非外交的な発言が、波風を引き起こしたのだ。そうでなくても、石油代金問題でねじれている両国関係に深刻な負担になると懸念される。

 尹大統領は15日午後、UAEに派兵されているアーク部隊を訪れ、将兵を励まし、「我々の兄弟国家であるUAEの安全保障は、まさに我々の安全保障」だとしたうえで、「UAEの敵、最も脅威となっている国はイランであり、我々の敵は北朝鮮」だと述べた。UAEとイランの両国関係について、当事国ではない韓国首脳が非外交的な言葉で介入したのだ。

 イラン外務省報道官は16日、「韓国大統領の発言は、イラン・イスラム共和国とアラブ首長国連邦を含むペルシア湾沿岸国家の歴史的・友好的関係と迅速かつ肯定的な改善に対する完全な無知」を示すものだと批判した。イランとUAEは、スンニ派とシーア派の対立で、2016年に大使召還まで行ったが、昨年、大使を再び派遣するなど、関係改善のために努力中だ。そのような状況下で、外国首脳が公開の席上で両国を敵と断定することは、極めて不適切だ。イラン外務省報道官は「外交的な妥当性を欠如した発言」だと強く批判し、「韓国外交部の説明を待っている」と述べた。

 韓国・イラン関係を考慮すれば、問題はよりいっそう深刻だ。尹大統領の発言は、UAEに駐留する韓国軍のアーク部隊がイランに敵対しているという誤解を生む余地がある。米国のイラン制裁のため、韓国はイランに石油輸出代金の70億ドル(約9000億円)を長きにわたり支払えず、両国関係はすでにかなり難しい状況にある。中東で最も重要な国家であり貿易相手国でもあるイランとの関係修復のために注いできた努力も、尹大統領の軽率な発言で無駄になるのではないかと懸念される。

 大統領室と外交部は「将兵を激励するとの観点でした発言であり、韓国・イラン関係とは関係ない」として事態収拾に努めている。だが、尹大統領は、歴訪のたびに外交論議を引き起こしたり、失言を繰り返した。昨年、英国で起こした「女王弔問の省略」と米国で起こした卑語・暴言発言の論議を記憶する国民の心を不安にさせる。政府は、尹大統領の暴言の論議についての報道が国益を害したとして、報道機関を相手取り訴訟まで起こした。大統領の外交舌禍にともなう国益損失からは、どのような補償を受けられるのだろうか。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1076094.html韓国語原文入力:2023-01-18 02:08
訳M.S

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