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[寄稿] なぜ今、韓米日安全保障協力なのか

登録:2022-10-14 06:24 修正:2022-10-14 07:13
キム・ジョンデ|延世大学統一研究院客員教授
今月6日、東海の公海上で行われた韓米日ミサイル防衛訓練の様子=米国防総省提供//ハンギョレ新聞社

 大統領室は、北朝鮮の核ミサイルの脅威に備えるため、韓米日安全保障協力が切実だと主張している。ところが、その安全保障協力が何を意味するのかについては、何の説明もない。日本との安全保障協力はその目的と水準、手段が定義されるべきであり、韓国が得られる安全保障上の利益が明確でなければならない。韓日間には安全保障協議体もなく、対話さえ定例化されていない今、日本と何を協力するのかについて内容も原則もない。

 韓国にとって日本はいかなる存在なのか。壬辰倭乱(文禄・慶長の役)の時、日本は朝鮮ではなく中国に攻め込むから朝鮮に道を貸してくれと言った。このような論理は、日清戦争と満州事変の時も再現された。日本は2018年の防衛白書から、北朝鮮ではなく中国を主な脅威と明示しはじめた。アジアの指導国を自任する日本は、昔も今も大国の政治を追求する。局地的で枝葉的な朝鮮半島問題はそっちのけで、大陸を牽制する東アジアレベルの大国戦略に急速に進んでいる。この地点で、日本は米国のインド太平洋戦略に遭遇することになる。一方、我々は北朝鮮を主敵としている。我々が中国との関係を犠牲にしてまで日本の後を追う理由は何なのか、特に見当たらない。

 日本は統一した南北が中国化し、核を保有する可能性が高いと懸念している。このため、韓国と北朝鮮は別々の主権国家であり、休戦ライン以北に韓国の主権は存在しないと主張する。日本は一度も韓国主導の朝鮮半島統一に同意したことがない。これは平和的統一を目指す韓国の憲法を認めないという意味だ。日本の戦略家たちは、南北が体制は違うが、同じ言語を使う同じ民族だから、いつか力を合わせて日本を牽制するかもしれないと懸念しているようだ。新羅が高句麗、百済と戦争した時、唐は同盟だったが、統一後はむしろ敵となった。北朝鮮の脅威に備えるという点では、日本は韓国にとって一時的な協力国かもしれないが、南北統合や連合の過程では唐のような存在になるだろう。過去の6カ国協議でも日本は南北協力を妨害し続けた。そのため、日本との協力は、臨時的かつ戦術的なレベルでは可能かもしれないが、戦略的なレベルでは想像し難い。北東アジア地政学の上で、両国は異なる夢を描いているからだ。

 そのような日本が朝鮮半島の危機管理体系の中に進入した場合、韓国の安全保障は一層複雑になる。これまで韓米は、韓国主導の朝鮮半島統一という大原則のもと、目的と志向を共有してきた。両者が成功的に管理してきた朝鮮半島の危機に日本という異質的要素が入り込むと、危機管理は複雑になり、意思決定は遅くなる。その上、日本はかなり前から北朝鮮が発射するミサイルに対して誤った情報分析を乱発し、警報システムの誤作動で自国内でも信頼を失っている。危機管理において錯誤や誤認は致命的であるため、日本の介入は韓国にとって大きな負担だ。

 日本には北朝鮮に打撃できるこれといったミサイルもなく、上陸作戦ができる軍隊もない。 自分たちは血を流さず朝鮮半島問題にあれこれと口を出した場合、我々には安全保障資産の拡充どころか、かえって重荷になる。何より屈辱を甘んじて受け入れてまで日本の世話になろうという依存的心理は、韓国は自ら守ることができない国、自分の運命を開拓できない弱い国だという認識を強化するだけだ。ニューヨークでの屈辱的な韓日首脳会談はその始まりに過ぎなかった。

 このようなすべての副作用を考慮したうえで、日本と真摯な戦略対話を行ってから、安全保障協力を模索しても遅くない。我々が知らない韓日間の密約でもあるのか。北朝鮮の相次ぐミサイル発射にあたふたして「韓米日協力」ばかりを叫ぶ尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の勇み足は不安を抱かせる。韓米日安全保障協力の内容を説明し、国民の理解を求めるべき政府と与党がむしろ不安を煽り、野党に反日、反米のレッテルを張って威嚇するのは実に嘆かわしい。野党代表が「極端な親日」という不適切な言葉を使ったことが政争の引き金になったのは事実だ。しかし「朝鮮は内部で腐って滅びた」と植民地の亡霊を呼び起こした与党代表の認識水準も疑問を抱かせるのは同じだ。このように政争に没頭する彼らに安全保障を任せるということ自体が不安なことだ。

//ハンギョレ新聞社
キム・ジョンデ|延世大学統一研究院客員教授(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1062575.html韓国語原文入::2022-10-14 02:39
訳H.J

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