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[社説]プーチンの「無謀な」軍動員令、もはや戦争は終わらせる時

登録:2022-09-22 02:10 修正:2022-09-22 08:10
ロシアのプーチン大統領が21日、生中継された対国民演説で、部分的動員令に署名したとし、ウクライナへの兵力の増派を発表している=ロシア大統領府提供/AP・聯合ニュース

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は21日、ウクライナ侵攻戦争の遂行に必要な兵力確保のために「部分的動員令」を下し、核による威嚇も繰り返した。2月末の侵攻後に占領したウクライナ東部と南部の4州をロシアに編入することを狙った住民投票も強行する予定だ。最近のウクライナ軍の反撃に押され、国内外で守勢に立たされているプーチン大統領が、占領地を領土として固定化するための危険な賭けに打って出たのだ。正当性のない侵攻の拡大を狙ったプーチンの無謀な試みを糾弾する。

 プーチン大統領は対国民演説で「予備役などの国民を部分的に動員する大統領令に署名した」と明らかにした。第2次世界大戦以降のロシアでは初の動員令だ。ロシア国防省は、30万人がウクライナに追加投入されると明らかにした。プーチン大統領は、西側がロシアに「核の脅威」を与えていると主張しつつ、「ロシアの領土的統合が脅かされる時、ロシアとロシア国民を保護するために、我々はもちろんあらゆる手段を使うだろう」と述べた。西側の脅威を口実にして、核による威嚇を繰り返したのだ。

 今回の軍動員令は、ロシアが大きな打撃を受けていることの傍証となる。プーチン大統領はこれまで「戦争ではなく特別軍事作戦」だとして動員令を下すことを避けてきた。国内の戦争反対世論が拡散しないようにするための計算だった。しかし、このところのウクライナの反撃によって占領地の10%を失っており、兵力も大きな損失を被った。プーチン大統領は結局のところ、大規模な兵力を補充して戦況を覆すことで、国内において自身の権力を改めて強化しようとしているとみられる。ロシア軍が占領中のウクライナのドンバスやヘルソン州などでは、親ロ臨時政府が来週中にロシアへの編入のための住民投票を強行する予定だ。

 7カ月近く続く侵攻は、ウクライナはもとより全世界に大きな苦痛を与え、国際秩序を揺るがした。20日の国連総会での演説でフランスのエマニュエル・マクロン大統領は、ロシアの侵攻を「帝国主義と植民地時代の復帰」と規定し、先週はロシアをかばってきた中国の習近平国家主席までもが「疑問と懸念」を示している。ロシア国内でも、沈黙を破って侵攻の不当性を批判する声が相次いであがっている。

 プーチンの動員令はこのすべての批判に耳を塞ぎ、自らの権力と我執のためにさらに多くの人々を犠牲にすると言っているも同然だ。プーチンが侵攻の失敗を認め、一日も早く戦争を終わらせる方策を探ること。それのみが、この巨大な苦しみと混乱を終わらせる解決策だ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1059592.html韓国語原文入力:2022-09-21 20:20
訳D.K

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