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[社説]朝鮮半島の緊張の中での「南北首脳親書」、次期政権の役割は重大

登録:2022-04-23 06:47 修正:2022-04-23 07:24
北朝鮮の金正恩国務委員長が完工した平壌・普通川辺の住宅地区を視察したと、朝鮮中央通信が4月3日付で報道した/聯合ニュース

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が退任を控え、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と「お別れの親書」を交換した。2018年の3回の南北首脳会談を通じて希望を作り出したが、2019年のハノイ朝米首脳会談が物別れに終わって以降、悪化し続けてきた南北関係に対する遺憾とともに、次期政権に向けた切実な願いが込められている。複雑な情勢を解決する明確な突破口は見えないが、北朝鮮が7回目の核実験まで準備しているという見通しも示されている危険な状況で、意思疎通チャンネルが閉ざされていないことは前向きなシグナルと言える。

 文大統領府は22日、金正恩国務委員長宛てに送った親書で、「対話で対決の時代を乗り越えなければならない」と要請したと明らかにした。文大統領は「残念な瞬間と感動の思い出が交錯するが、金委員長と手を取り合って朝鮮半島の運命を変える確実な一歩を踏み出したと思う」とし、「対話再開は次期政権の役割となった。金委員長も朝鮮半島平和の大義を持って南北対話に臨むことを期待する」と述べた。金委員長は21日、答申を送り、「希望するところに至ることはできなかったが、歴史的合意と宣言がなされた。これは消えることのない成果だ」とし、「これまで傾けてきた努力を基に、南北が誠意を注げば、南北関係がいくらでも発展できるというのが変わらぬ考えだ」と書いた。

 今回の親書による局面転換を期待できないのは、厳然たる現実だ。まず、北朝鮮の態度の変化が重要だ。北朝鮮は先月、大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射でモラトリアム(猶予)を破棄したのに続き、豊渓里(プンゲリ)の核実験場を復元し、核実験を準備する兆しも見せている。最近は「戦術核運用の有効性」などを取り上げ、韓国に対し核脅威を加えた。「努力を傾けていけば南北関係が改善され、発展できる」という金委員長の発言が本心ならば、北朝鮮はこれ以上の挑発で朝鮮半島情勢を悪化させることを止めなければならない。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期政権の役割は、いつにも増して重大だ。文在寅政権の北朝鮮政策を全面否定する立場を捨て、慎重に南北関係を管理しながら対話再開に向けて努力していかなければならない。クォン・ヨンセ統一部長官候補が21日、「対北朝鮮制裁を順守する線で、北朝鮮に対する人道支援を考えていなければならない」と述べたのは、意味のある出発点になり得る。北朝鮮の挑発には断固として対応しなければならないが、不安定な国際情勢の中で、南北関係をうまく管理しながら、対話の転換点を作っていくことが、時代的課題であることを肝に銘じなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1040074.html韓国語原文入力:2022-04-22:10
訳H.J

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