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[社説]韓国軍の「過小評価」に再び極超音速ミサイル発射した北朝鮮

登録:2022-01-13 05:16 修正:2022-01-13 07:17
今月11日、北朝鮮の国防科学院が極超音速ミサイルの発射実験を金正恩国務委員長が視察する中で行い成功させたと、朝鮮中央通信が12日付で報じた。金委員長がミサイル発射実験を指導する現場に、キム・ヨジョン労働党副部長(赤い丸)も同行し、拍手を送っている/聯合ニュース

 北朝鮮が12日、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が現地で見守る中、前日「極超音速ミサイルの最終発射実験に成功した」と発表した。金委員長がミサイル発射実験の現場を訪れたのは、2020年3月21日以来661日ぶり。長期化する制裁やコロナ禍、経済難の中で、「軍事的な成果」で民心をつかもうという意図とみられる。韓米との交渉よりは国防力の強化に集中するというシグナルともいえる。朝鮮半島情勢に緊張が高まるのではないかと懸念される。

 北朝鮮は今月5日に発射実験を行った後、韓国軍が「極超音速ミサイルではなく、弾道ミサイルだ」と否定したことを受け、6日後に再び発射実験を実施し、「大成功」を宣言した。しかし国防部は12日にも「詳細な内容は韓米情報当局が精密分析中」だとし、極超音速ミサイルと認めることに慎重な態度を固守した。北朝鮮のミサイル能力をめぐり南北が「攻防」を繰り広げる格好となったわけだ。

 極超音速ミサイルは、ミサイルが大気圏に再突入した後、標的まで低高度で滑るように飛行する滑空の速度がマッハ5(時速6120キロ)を超えるものを指す。北朝鮮は「極超音速滑空飛行戦闘部は距離600キロメートルの界線から滑空再跳躍し(…)1000キロメートル先の水域に設定された標的に命中した」と具体的な数値を提示したが、滑空段階の速度は明らかにしなかった。合同参謀本部は11日、「最大速度はマッハ10前後」だと分析したが、滑空段階の速度はまだ正確に把握していないという。

 にもかかわらず、北朝鮮が開発に着手したことを公表してから1年で、予想を上回る速さで極超音速ミサイルの技術を高度化していることだけは明らかだ。極超音速ミサイルは一般弾道ミサイルより探知と迎撃が難しいため、「ゲームチェンジャー」と呼ばれる。韓国軍が北朝鮮の能力を過小評価するのではないかという疑問の声が上がっているのもそのためだ。正確な分析と共に、徹底した対応態勢に万全を期さなければならない。

 こうした状況で、国民の力のユン・ソクヨル大統領選候補は11日、「(北朝鮮で)マッハ5以上のミサイルが発射された場合、そこに核を搭載したとしたら」という仮定でのもと、「先制打撃しか阻止できる方法がない」と述べた。北朝鮮への先制攻撃は朝鮮半島での全面戦争につながるという点で、大統領候補として非常に危険な発言だ。米中覇権争いと北東アジア軍拡競争がますます高まる状況で、徹底した安全保障は他でもなく朝鮮半島の平和のためのものでなければならない。いつになく多角的で慎重な外交安保戦略が求められる。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1027088.html韓国語原文入力:2022-01-13 02:01
訳H.J

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