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[寄稿]韓日関係の外交的解決策の模索

登録:2021-10-18 02:50 修正:2021-10-18 08:22
李婷婷|北京大学教授

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領と日本の岸田文雄首相が15日に初の電話会談を行い、両国関係の困難な局面について話し合った。文大統領は外交的解決策の模索が望ましいとして両国の共同の努力を提案し、岸田首相は韓国側の適切な対応を求める従来の立場を再確認した。

 現在、韓日関係を妨げている主要懸案としては「慰安婦」、強制徴用などの歴史問題と、日本の韓国に対する輸出規制問題が挙げられる。両者の最重要争点は国際法論争に集中している。1965年の韓日請求権協定の適用範囲についての法的解釈の違い、2015年の韓日日本軍「慰安婦」被害者問題合意の効力と手続き上の合法性、そして2019年の日本の輸出規制が自由貿易原則違反に当たるかどうかや報復性問題などをめぐり、両国の専門家の間では詳細な国際法論争が繰り広げられた。韓日関係の打開の方向性については、論争収拾のために外交的知恵を寄せ合って妥協可能な折衷案を模索しようという声が高まっている。

 外交的解決策が国家間の対立を緩和する最も直接的な手段であることは確かだ。しかし、外交手段による歴史和解問題の解決には限界があるということも、2015年の韓日「慰安婦」合意とそれに関する問題が残した最も大きな教訓の一つだ。当時、両国政府は現実政治の需要のために合意を急きょ導き出したが、日本政府の法的責任や慰安婦動員の強制性などについての既存の立場の違いを根本的に埋められなかった。その結果、少女像と合意そのものの国際法としての効力といった新たな問題が争点化したことで、互いに対する世論と国民感情はむしろ悪化し、既存の対立がさらに深刻かつ複雑になるという逆説的な結果を招いた。同じ轍を踏まないようにするためにも、文在寅大統領が15日の電話会談で強調したように、外交的解決の模索とともに、被害者の納得を得る努力を疎かにしてはならない。でなければ、両国の立場の相違を縮め、共感を拡大することによる実質的な対立の解消は不可能だ。

 国際法論争の具体的な内容については、「国際法違反」というフレームで相手の主張を完全に不合理だとか非理性的などと決めつけるよりも、その構成論理を解体し理解する方が、両国間の国民感情の回復に有利になりうる。国際法についての異なる解釈は、韓日間の特殊な問題ではなく普遍的な現象だ。また双方の見解の相違は、時代と認識の変化に伴って、国際法において新たな理念の導入をどの程度認めるべきなのかという普遍性の問題とも直結する。例えば請求権協定に対する解釈においては、韓国側の主張は戦争での反人道的行為、女性の人権などの問題についての新たな言説が国際法分野に導入されることで注目され始めた「被害者中心主義」原則を根拠としている。

 国内法と国際法の衝突という現象も普遍性を持つ問題だ。最近の事例としては、米国の「セカンダリー・ボイコット(第3者制裁)」や日本による対韓国輸出規制などが挙げられる。韓国の国内的側面からみると、ここ数年間に韓国の各裁判所で下された慰安婦や強制徴用関連の諸判決は、韓日間の歴史問題を標的にしているだけでなく、時期ごとの韓国の国内法レベルでの法感情の変化や時代精神を反映しているという側面もある。女性の権利、強者と弱者の関係をはじめとする社会の公正性の問題などが社会的論争を巻き起こし、複数回の国内法改正と立法活動へとつながったうえ、上記の諸判決の時代的、社会的背景ともなった。一方、日本側の主張にもそれなりの国内的背景がある。外交的フレーム争いを超越して相手の主張の論理を解体していけば、共感の形成と折衷案づくりに役立ちうる。

 歴史和解は、すべての北東アジア諸国家が直面している長期的課題だ。根本的な問題解決に向けた外交的解決策を見出すためには、一時的な政治的需要に左右されない、国の利益、被害者の立場、国際的普遍性と時代精神をバランスよく考慮する外交的努力こそが、すべての当事国に必要だと考える。

//ハンギョレ新聞社

李婷婷|北京大学教授 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1015487.html韓国語原文入力:2021-10-17 18:41
訳D.K

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