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[社説]韓国、グーグルに過去最大級の制裁…「独占横暴」正す契機に

登録:2021-09-15 07:07 修正:2021-09-15 08:39
チョ・ソンウク公正取引委員長が14日午前、世宗市の政府世宗庁舎で、グーグルなどによるアンドロイドOSに関する市場支配的な地位濫用行為への制裁について会見を行っている/聯合ニュース

 メーカーが生産するデバイスにアンドロイドのOS(オペレーティングシステム)のみを使うよう事実上強制するグーグルに対して、韓国の公正取引委員会は14日、是正命令とともに2074億ウォン(約195億円)の課徴金を科した。今回の措置は、OSの搭載に制約を加えることにより、スマートデバイス分野での革新的なデバイスとサービスの出現を妨げてきたグーグルの横暴を是正しようとするものであり、グーグルに対する韓国内での制裁のなかでは過去最高水準だ。

 公正取引委員会は、グーグルがデバイスメーカーと結んだ「反フラグメンテーション協定」(AFA)が市場支配的な地位を濫用したものだと見なした。グーグルとこの契約を結ぶと、発売するすべてのデバイスにはアンドロイドOSのみを使わなければならない。アンドロイドのソースコードを変更して作った「アンドロイド・フォークOS」や自社開発のOSを搭載することはできない。グーグルは、グーグルプレイストアのライセンス契約の条件として反フラグメンテーション協定を要求するため、メーカーとしては避ける手段はない。これは、グーグルのOS支配につながった。サムスン電子の場合、スマートウォッチ(ギャラクシーギア)に独自開発のOSを搭載しようとしたが、グーグルの圧力のため諦め、フォークOSを使うことさえ放棄した。公正取引員会は「開発段階から競合商品の開発自体を徹底的に統制する、前例のない競争制限行為」だと指摘した。

 公正取引委員会の是正措置により、グーグルは韓国内に本店を置くメーカーとその系列会社、韓国内に供給されるデバイスを製造、流通または販売する事業者や系列会社に「反フラグメンテーション協定を強制してはならない」という公正取引員会の是正命令を知らせなければならない。また、是正命令の趣旨に合うよう契約を修正しなければならない。今回の措置が十分に機能すれば、製造企業はアンドロイドOSを使わない革新的なデバイスの開発を試みることができるようになる。

 グーグルは公正取引委員会の措置について「議決書を受け次第、裁判所に控訴する」と明らかにした。公正取引委員会が3回にわたり深く審議し、証拠資料へのアクセス権と防御権の保障のために苦心しただけに、裁判所でひっくり返りはしないことを期待する。欧州連合(EU)の欧州委員会も2018年7月、グーグルが反フラグメンテーション協定で競合するフォークOSを搭載したスマートフォンとタブレットの製造販売をできなくしたことに対して、課徴金を科し是正するよう求めたことがある。

 市場支配力が強い韓国内外の情報通信技術(ICT)事業者の独占横暴は、様々な分野で深刻だ。韓国政府と国会は、対応にさらにスピードを上げなければならない。アプリマーケットを両分しているグーグルとアップルが、高い手数料を課している「アプリ内課金決済システム」の導入をマーケットに出店している企業に強制することを禁じる、別名「グーグルパワハラ防止法」が14日から世界で初めて韓国で施行された。公正取引委員会は今回の件の他に、グーグルがゲーム企業などに競合のアプリマーケットにサービスを発売できないよう妨害した事件など3件を調査している。速やかに処理してほしい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1011739.html韓国語原文入力:2021-09-14 20:13
訳M.S

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