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[コラム]韓国がアフガンから目を背けられない理由

登録:2021-08-20 02:47 修正:2021-08-20 07:35

 タリバンがアフガニスタンの首都カブール入りした15日(現地時間)以降、カブールのハミド・カルザイ国際空港に押し寄せたアフガンの人々の姿は衝撃的だった。1機の飛行機に向かって数百人が一斉に滑走路を走る様子、飛行機の搭乗階段に蜂の群れのようにぶら下がっている様子、飛行機の機体の上にのぼったり輸送機のタイヤにぶら下がったりしている姿は凄まじく、切迫していた。タリバンは政権を握っていた1996~2001年、シャリア(イスラム法)を適用するとして、女性が一人で街を歩き回ることを禁止したり、投石刑や手首切断刑を実施したりするなど、恐怖政治を敷いた。20年ぶりのタリバンの帰還を見つめるアフガンの人々の不安は大きいと思われる。

 アフガン問題のことを、韓国とは関係のない単なる気の毒な「他国の出来事」と見ることはできない。実際のところ、韓国軍はアフガン問題にかなり以前から深く関与してきた。2001年から海軍輸送支援団(海星部隊)、国軍医療支援団(東医部隊)、建設工兵支援団(茶山部隊)、アフガン再建支援団(オシュノ部隊)などが派兵されてきた。アフガンのバグラム基地に駐留していた10カ国あまりの軍隊のうちの一つが韓国軍だった。2007年にはバグラム米軍基地の前で爆弾テロが発生し、韓国の軍人が1人犠牲になっている。2014年にオシュノ部隊がアフガンから撤退するまでの14年間、韓国軍はアフガン戦争とアフガン再建に直に関与してきた。

 「不朽の自由作戦」という名で2001年10月から20年にわたってアフガンで戦争を繰り広げてきた米国は、米軍通訳など米国に協力した人々を避難させている。米国はいわゆる特別移民ビザ(SIV)プログラムに沿って、米国に協力した人々とその家族5万人あまりを米国または第三国に避難させる計画だ。米国に次いでアフガン戦争に最も深く介入してきた英国は、アフガン駐留英軍などのために働いてきたアフガン人通訳など現地職員およびその家族5000人を英国に受け入れることを決めている。ポーランド政府も、ポーランド軍人と外交官に協力したアフガン人を受け入れるためにカブールに航空機を送った。韓国も、韓国政府とともに働いたり、韓国政府に協力したアフガン人が身の危険を感じて避難しようとしているのなら、当然助けるべきだ。

 またアフガン難民は、国際社会が共に対処すべき主要な問題となると考えられる。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、他国に脱出したアフガン難民は現在約250万人にのぼるという。UNHCRは、今年に入って内戦の激化で生活の場を失い、アフガン内でばらばらになっている「国内難民」も55万人にのぼると発表している。

 タリバンはカブール占領から2日後の17日、初めて公式に記者会見を開き「イスラム法の下で女性の人権を尊重する」とし、過去とは異なる態度を示したものの、恐怖政治が根本的に変化するかは未知数だ。結局のところ新たに多くの難民が発生する可能性があり、周辺国を含む各国がアフガン難民問題の解決に向けて議論していかなければならない。

 英国は、英軍に協力したアフガン人を受け入れるのとは別に、2万人のアフガン難民を長期的に受け入れると発表している。アフリカのウガンダは米国の要請で2000人のアフガン難民を受け入れることを決め、コソボとアルバニアも一時的な受け入れを決めている。アフガンの隣国ウズベキスタンは、アフガン脱出難民の輸送支援のため、首都タシュケントと北西部ナボイ州の空港を提供するという。韓国政府にも、韓国に協力したアフガン人の避難を助けたり受け入れたりするという最小限の道理だけでなく、タリバンの恐怖政治を逃れたアフガン難民を包容する最大限の人道主義的措置を取ることを期待する。

//ハンギョレ新聞社

チョ・ギウォン|国際ニュースチーム長 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1008353.html韓国語原文入力:2021-08-19 18:16
訳D.K

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