4日午前0時に締め切られた新型コロナ予防接種の事前予約率が80.7%を記録した。政府が目標にした80%を上回る。一時は予約率が停滞し、接種日程が遅れるかと憂慮したことを考えれば力づけられる。ワクチン需給に余裕が生まれた中で、今後は本格的な大量接種に進める状況になった。今年中に集団免疫に達することにも青信号がともった。もちろん、まだ先は長い。支障なく最終目標に達するには、これまでの過程から几帳面に顧みることが重要だ。
今回の成果は様々な要因が有機的に結びついた結果だ。何よりも国民がワクチンの安全性に対する不安感を取り払い、合理的な判断をしたために可能だった。接種後に亡くなったり深刻な疾患に罹った国内外の事例が知らされて、信頼が大いに揺らいだが、接種の先頭に立った人々が安全性を立証することによって予約率が跳躍する踏み台の役割を果たした。1回目の接種後に新型コロナに感染した60歳以上の中に、死亡者が一人もいなかったために接種の効果に対する認識もはっきり高まった。接種者に限り防疫基準を緩和することにしたこともタイミングが良かった。接種委託機関と残余ワクチンを一目で分かるようアクセシビリティを高めたことも成果を後押しした。
一方で一部のマスコミが不正確で誇張された報道を日常的に行ったことは、大量接種段階に進むことへの大きな障害物だった。接種との因果関係が確認されていない死亡や疾患の事例を毎日生中継し、まったく無関係であることが明らかになった事例まで、巧妙な言及で特筆大書した目的が何だったのか、問わざるをえない。今になって、ワクチンの安全性に対する厳格な検証だったと、厚かましく言い逃れ「接種督励キャンペーン」をするとはあきれる。非公式なルートでワクチン導入の成果を出そうとして自ら恥をさらした大邱市(テグシ)のクォン・ヨンジン市長も、自身の突出行動を反省しなければならないだろう。大邱市は接種予約率が最も低く、昨年3月以後最も多くの感染者が出ている。
防疫当局が一部の報道機関と政界の無理な主張や揺さぶりに屈せず、一貫した立場を守ってきたことと、創意的なアイディアでワクチンへのアクセシビリティを高めたことは、高く評価できる。それでも油断は禁物だ。防疫基準の緩和で万が一“突破感染”(接種完了後の感染)が続出すれば、ワクチンの信頼度が落ち集団免疫の形成が難しくなることもありうる。今回の成果に最も大きく貢献した国民に感謝の気持ちを伝えながら、生活防疫規則を順守することがもう一つのワクチンであることを続けて想起させなければならない。まだ誰も緊張を緩められる時ではない。