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ドイツの科学者「アストラゼネカ、ヤンセンのワクチンの稀な血栓副作用、原因が判明」

登録:2021-05-28 02:29 修正:2021-05-28 08:02
「媒介者であるアデノウイルスがカギ」 
ヤンセンと協議中…一部からは「まだ仮説」
医療スタッフがアストラゼネカのコロナワクチンを手にしている/AFP・聯合ニュース

 ドイツの科学者たちが、アストラゼネカ(AZ)とヤンセンファーマが開発した新型コロナウイルスワクチンの副作用である稀な血栓の発生原因を究明し、これを解決する方法も提供できると主張している。

 英紙「ガーディアン」「フィナンシャル・タイムズ」などは26日(現地時間)、ドイツ・フランクフルトのゲーテ大学(フランクフルト大学)の研究チームがコロナワクチンの稀な血栓の発生例についての研究結果を公開したと報じた。

 両社のワクチン  は、接種後2週間以内に血小板の減少を伴う極めて稀な血栓症である「脳静脈洞血栓症(CVST)」を誘発することが分かり、一部の国で使用が中止された。英国では、アストラゼネカのワクチンを接種した3300万人のうち309人に稀な血栓が発生し、56人が死亡している。

 研究チームは、ウイルスベクター(媒介者)として使われる「アデノウイルス」が主な原因だと主張した。具体的にみると、アストラゼネカとヤンセンのワクチンは、弱い風邪のウイルスであるアデノウイルスにコロナウイルスの遺伝子の一部を入れ、人体に投入して免疫反応を引き出す。アデノウイルスが媒介者となってコロナウイルスのスパイクたんぱく質を体内に持ち込むのだが、この過程で問題が発生しうる。スパイクたんぱく質が細胞核に入ると、特定部分が分離して突然変異バージョンが作られるが、この突然変異たんぱく質が細胞膜に結合できずに身体に分泌され、血栓を誘発するというのだ。

 ファイザーとモデルナのワクチンはアストラゼネカなどと異なり、ウイルスより小さい「メッセンジャーRNA(mRNA)」を利用して、スパイクたんぱく質の遺伝物質を細胞核ではなく細胞質に伝達する。このような違いのため、血栓の発生する副作用は発生しないと研究チームは主張した。

 研究を主導したゲーテ大学のロルフ・マルシャレク教授は、ワクチンメーカーがスパイクたんぱく質のシークエンスを修正すれば問題は解決できるだろうとの見通しを示した。研究チームは、すでにヤンセンと協議中であるが、アストラゼネカとはまだ接触していないと語った。

 一部の科学者は、今回の研究結果はまだ仮説に過ぎず、より多くの実験データを用いた立証が必要だと指摘した。コロナ予防接種対応推進団のチョ・ウンヒ安全接種管理班長も27日の定例ブリーフィングで「この論文は現在、リサーチスクエアという事前のピアレビュー(査読)が行われていないフリープリンティングで上がってきているので、一つの仮説」だとし「もう少し多くのピアレビューが行われた後に検討して、整理がついたら改めてご案内する」と述べた。研究チームは現在、ドイツのワクチン承認担当機関であるポール・エーリッヒ研究所(PEI)に研究結果を提出してある状態だ。

チェ・ヒョンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/996891.html韓国語原文入力:2021-05-27 11:58
訳D.K

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