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[社説]国連の専門家たちも警告した「福島原発汚染水」放流

登録:2021-03-12 20:16 修正:2021-03-13 07:09
市民放射能監視センター、労働環境研究所、トゥレ生協連合会、女性環境連帯など市民社会団体のメンバーが、日本政府と東京電力は福島原発に溜まった放射能汚染水の海洋放出計画の推進を撤回せよと要求している=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 国連の専門家たちが、福島原発事故による放射能汚染水を放流しようとする日本政府に警告を送った。「人権と健康権」などを管轄する国連特別報告官5人は11日、声明を出し、「福島第一原発に残っている汚染水は、環境と人権への重大な危険を内包している」として「原発汚染水の太平洋放流は受け入れ可能な解決策ではない」と指摘した。彼らは声明を盛り込んだ書簡を日本政府に伝達した。

 国連人権最高代表事務所のホームページに公開された声明で、専門家たちは「核燃料が溶融した原子炉内部に流入する地下水が引き続き汚染されている」として「汚染水が招く危険とその廃棄の影響をめぐる不透明性、決定過程への大衆の参加不足は、これにより影響を受ける人々を失望させるもの」と批判した。日本内外の原発専門家たちが粘り強く指摘してきたことと同じだ。また、彼らは「被ばくを防止しなければならない持続的な義務が日本にある」として「何より子供と脆弱階層が放射能にさらされることを防止しなければならない」と強調した。

 日本政府は、多核種除去設備(ALPS)で濾過し高水準の放射性物質を除去した後に放流すると言ったが、東京電力の資料によれば、処理された汚染水のうち基準値を通過したのは30%に過ぎなかった。低水準の放射性物質だが危険性論議のあるトリチウムのみならず、極少量でも致命的なセシウムやストロンチウムなどの高水準放射性物質まで検出された。こうした汚染水が放流されれば、海洋生態系を越えて人間にも取り返しのつかない災難を招くことは火を見るより明らかだ。

 国際社会のこうした声にもかかわらず、日本政府は11日、韓国、中国などに対して日本食品の輸入規制を撤廃させるよう努力すると明らかにした。最近、福島近海で獲られたクロソイから基準値を大きく上回るセシウムが検出されたが、日本政府は「特異な事例」と言い逃れた。放射能被ばく問題には知らぬふりをして、自国の食品に対する開放圧力を露骨化しようとする態度は居直りだ。国際社会の公憤を一層高めるだけだ。

 今月6日に福島を訪問した菅首相は「適切な時期に責任をもって処分政策を決める」と話した。日本政府は、汚染水の放流問題を自国民と隣接国家だけでなく全世界が深刻に見守っていることを肝に銘じ、国際社会が容認できる解決法を出さなければならない。「責任をもって」とは、まさにそういうことだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/986602.html韓国語原文入力:2021-03-12 19:04
訳J.S

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