新型コロナウイルス感染症の影響により学力格差が生じることに対する憂慮が、実証的な調査研究を通じて、続々と事実として確認されている。昨年6月の修学能力試験(大学入学一斉試験)の模擬評価によって、中位圏の生徒は減少する一方、上位圏と下位圏は増加したことが分かったのに続き、今度は小学生の間でも遠隔授業による学力の二極化が現実のものとなった。
最近、学術誌「空間と社会」(74号)に掲載された論文「新型コロナ以降、居住環境の違いが小学生の学習、ゲーム、遊びの時間に及ぼす影響の分析」によると、著者のイ・シヒョ博士は昨年7~8月、京畿道富川市(プチョンシ)の3つの地域の3校の小学校に通う3~6年生446人にアンケート調査を行った。3地域はそれぞれニュータウンのマンション団地、古いマンション団地、築30年以上の一戸建て住宅と低層集合住宅の混在地区で、住宅価格にも差がある。調査の結果、ニュータウンのマンション団地内の学校に通う児童は、遠隔授業にかけた時間が1日平均155分であるのに対し、古いマンション団地は127分、混在地区は83分で、顕著な差が見られた。
逆にコロナ以降のゲーム時間は、高所得地域の生徒は30分増えたという回答が最も多かった一方、低所得地域の生徒は2時間以上増えたという回答が最も多かった。特に低所得地域では、4人に1人が1日に4時間以上ゲームをすると答え、「ゲーム中毒」の兆候すら憂慮された。3校ともリアルタイムの双方向授業ではなく、資料依存型のオンライン授業を行っていることから、親の助けや学校の準備程度などの学習条件が児童に大きな影響を与えるということを示している。小学生時代に基礎学力をしっかり固めなければ、中学や高校にまで格差が続く場合があることから、見過ごしてはならない深刻な問題だ。
学力格差の解消に向けた特別な対策が必要だ。昨年は、生徒たちの平均登校授業日が30日にも満たない中、2学期に入っても遠隔授業の質が改善されず、生徒と保護者らが大きな不満を持ったことを教育当局は忘れてはならない。
ユ・ウンヘ教育部長官は新年の辞で、遠隔教育の活性化に向け、リアルタイム画像授業の支援など、学習管理システムの高度化の意志を明らかにした。コロナ禍が一日も早く終息し、登校授業が正常化することが最も望ましい。しかし、そうならない場合に備え、教育当局は新学期が始まる前に万全の準備をしておくべきだ。昨年1年間、事実上放置されてきたも同然の公教育が今年も本来の役割を果たせなければ、見過ごすことのできない職務遺棄となることを、教育当局は肝に銘じなければならない。