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新型コロナの影響、住宅価格の差が「小学生の学習時間」の格差に=韓国

登録:2021-01-13 10:47 修正:2021-01-16 08:57
小学校3校で学習に対する「コロナの影響」を分析した論文 
住宅価格の差によって学習時間の格差 
逆にゲーム時間は低価格住宅の方で増加
今月7日午前、済州中央小学校の前で一人の子どもが登校している。昨年に続き今年も新型コロナの流行により多くの生徒が登校と遠隔授業を並行するようになる見通しだ/聯合ニュース

 昨年、新型コロナウイルス感染症の流行で登校授業がまともに行われなかった中、社会経済的な背景が脆弱な小学生ほど学習時間がさらに減ったという調査結果が出た。遠隔授業の実施で教育格差が広がるだろうという教育界内外の懸念が、具体的な情況で現れた。

 12日、学術誌「空間と社会」の最新号に掲載された論文「新型コロナ以降、居住環境の差が小学生の学習、ゲーム、遊び時間に及ぼす影響の分析」によると、住宅価格の高い地域の生徒であるほど、遠隔授業の所要時間がより多かったことが分かった。これは昨年7~8月、京畿道富川市(プチョンシ)の小学校3校に通う3~6年生446人を対象に行ったアンケート調査とインタビューを通じて分析された結果だ。論文では、学校の通学区域の住居地の状態や住宅価格相場などを通じて、新都市のマンション団地の生徒が主に通っているA小学校、築30年のマンション団地の生徒が多いB小学校、築30年以上の一戸建て住宅や低層アパートなどの生徒が通うC小学校の順に、保護者の付加価値が高いと類推した。

 調査結果によると、A小の生徒は遠隔授業にかける時間が1日平均155分だったが、B小は127分、C小は83分だった。A小とC小の差は2倍近くあった。時間帯別に見ても、A小では2~3時間のあいだという回答が多いのに対し、C小では1時間以内という回答が半分を超えた。論文は遠隔授業は大方映像視聴、課題提示の形式で行われると指摘し、「住宅価格の高い地域の生徒ほど自己主導学習能力が必要なオンライン授業により集中するということを意味する」と説明した。

 全般的な学習時間も住居環境によって差が現れた。新型コロナ以降の学習時間の変化について、A小では半分を超える52.4%が学習時間が「増えた」と答えたが、B小では同じ割合の生徒が「減った」と答えた。なお、C小学校では、72.9%の生徒が「減った」と答えた。

 一方、1日にゲーム(スマートフォン、インターネットなど)に使う平均時間はそれぞれA小が78分、B小が105分、C小が110分で、学習とは正確に反比例する流れを見せた。C小ではゲームに1日4時間以上を使うという割合が23.6%と最も高かった。コロナで格差がさらに広がりもした。A小の生徒はコロナ以降平均ゲーム時間が14分増えたと答えたが、C小の生徒はその2倍の26分増えたという。特に、A小ではゲーム時間が30分増えたという回答が25%で最も多かったが、C小では2時間以上増えたという回答が19.4%で最も多かった。論文は「ゲーム時間の増加は、特に低所得層住居地域の生徒の達成度と生活に対し、より大きな脅威要因になる」と指摘した。

 論文を作成した空間社会学者のイ・シヒョさんは、ハンギョレの電話インタビューで「子どもが経験している新型コロナは、大人たちが思うよりはるかに過酷なうえに、社会経済的背景によって格差が広がる二極化現象も確認されている。防疫の成功だけに重点を置くのではなく、社会的弱者のための全社会的な教育やケアにより多く投資すべきだ」と語った。

 自宅に一人で滞在する時間が増え、友人と一緒に過ごす時間が減るなど、新型コロナによって3つの学校の生徒たちが共通して経験している現象も見つかった。昼間の時間に成人の保護者なしに家にいるという生徒の割合は全体の32.3%で、このうち「一人でいる」という回答も12.8%に達した。学校ごとの違いはそれほど大きくなかったが、C小の場合、「祖父母と一緒にいる」という回答が他の2校に比べ一際高かった。「コロナ以降、友達と遊ぶ時間が減った」という回答は、全体の74.4%に達した。インタビューでも「学校に行っても休み時間に歩き回ったり、友達と話してはいけない」「家にいることが多くて憂鬱だ」「友達とできるだけ外に出て遊びたいのに、大人が出てはいけないとする」など、外部活動の制限による憂いを訴える声が多かった。

チェ・ウォンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/978507.html韓国語原文入力:2021-01-13 07:20
訳C.M

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