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[社説]検察捜査中の自殺、徹底した調査で再発防止を

登録:2020-12-07 01:55 修正:2020-12-07 10:18
共に民主党のイ・ナギョン代表が4日午前、ソウルのある病院の葬儀場で行われている代表室のL副室長の葬儀を訪れた/聯合ニュース

 共に民主党のイ・ナギョン代表の側近で代表室副室長のL氏が、検察の取り調べを受けた後に死亡し、衝撃を与えている。L副室長は、昨年春にオプティマスの関連会社から複合機のリース料76万ウォン(約7万2900円)を受け取った容疑で選挙管理委員会から告発され、2日にソウル中央地検で取り調べを受けた。調査途中で夕食に出かけた後に連絡が途絶え、翌日の夜に近くで死亡しているのが発見された。検察の捜査を受けている被疑者が自殺する悲劇が繰り返されているにもかかわらず、実質的な対策もなく放置されている。

 もし、検察の捜査過程で別件捜査による圧迫や強圧的な調査が行われていたとしたら、事態は深刻だ。一部のメディアは、イ代表が全羅南道知事だった時代に政務特別補佐官を務めていたL副室長が、全羅南道地域の企業から金品を受け取っていた容疑でも検察が捜査を行っていたと報じている。民主党は、知人の会社に正式に勤務し、給与を受け取っていたと説明した。検察は「全羅南道地域の業者が給与を提供していた容疑を解明するために召喚調査を行ったとか、口座追跡などを通じてそうした状況を確認したとかいう内容は事実ではない」と明かした。検察の釈明が正しければ、どうしてそのような報道がなされたのか疑問だ。

 この1年ほどで、サンサンイン貯蓄銀行関連の被告発人、蔚山(ウルサン)市長下命捜査疑惑の参考人だった元大統領府特別監察班員の検察捜査官、軍納不正問題で捜査を受けていた元陸軍給養隊長を含め、4人もが相次いで自殺している。検察は昨年9月に「検察捜査中の自殺事件の処理および対応システム」を構築するなど、この問題に取り組んでいると言うが、現実を見れば実効性を疑わざるを得ない。昨年発生した事例だけを見ても、徹底した真相調査とそれに沿った措置はない。

 韓国刑事政策研究院の「検察捜査中の被調査者の自殺の発生原因および対策の研究」(2014)は、「被調査者に対する考慮なしに行われている検察の捜査方式と、人権侵害的な分別のないメディアの犯罪報道」を主な原因に挙げ、無理な捜査慣行の改善や被疑事実公表罪の適用の現実化などを対策として提示している。いずれも検察改革の一環として絶えず指摘されてきた事項だ。しかし、個別事件に対する厳正な処理が前提にならなければ、どんな対策も口先だけで終わるばかりだ。今回の事件はユン・ソクヨル検察総長の指示で真相調査が進められている。先の例も含め、原因と責任の所在を徹底的に究明する必要がある。検察のみに任せるのではなく、国会にも制度的解決策を模索することを望む。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/973011.html韓国語原文入力:2020-12-06 18:17
訳D.K

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