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[社説]文大統領の終戦宣言の提案、国際社会の支持を期待

登録:2020-09-23 10:37 修正:2020-09-23 11:31
文在寅大統領が今月21日(現地時間)、第75回国連総会でMIKTA(メキシコ・インドネシア・韓国・トルコ・オーストラリア5カ国地域間パネル)を代表し、テレビ電話を通じて演説する姿が米ニューヨークの国連本部の会議場で映し出されている=ニューヨーク/EPA・聯合ニュース

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が23日未明(韓国時刻)、オンラインによる国連総会での演説を通じて、朝鮮半島終戦宣言と北東アジアの防疫・保健協力体を公式に提案した。文大統領は「包容性を強化した国際協力」をテーマにした演説で「朝鮮戦争勃発から70年がたった今、朝鮮半島に残る悲劇的な状況を終わらせる時がきた」とし「終戦宣言を通じて和解と繁栄の時代へと前進できるよう、国連と国際社会も力を合わせてほしい」と訴えた。

 文大統領が「終戦宣言こそ、朝鮮半島で非核化とともに恒久的な平和体制の道を開く扉」だとし、昨年ハノイでの朝米首脳会談決裂からしばらく伏せられていた終戦宣言カードを再び取り出したのは、南北関係と朝米関係に対する北朝鮮の不信を払拭し、対話を復元するという強い意志を示したものと読み取れる。特に今回は、当事国だけの終戦宣言ではなく、国際社会と協力して終戦宣言をはじめ朝鮮半島問題を解決するという構想に進展させた点が目を引く。朝米非核化交渉が中断され、それとともに止まった朝鮮半島平和プロセスの突破口を、国際社会との協力の中で見出そうという意味だ。

 今回の演説は、任期が約1年半ほど残った文大統領が、事実上最後の北朝鮮に対する提案を国際社会に示したという点でも意味が大きい。北朝鮮が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と経済制裁などで困難に直面している状況を考慮し、まず医療・保健・防疫分野で制裁を超えて南北協力を実現させようと明らかにしたのは時宜にかなった提案だ。文大統領は「南と北は『生命共同体』だ」と強調し、感染病と自然災害を克服するために共に協力するのは必然であり、防疫と保健協力は朝鮮半島の平和を実現する過程でも対話と協力の端緒になると見通した。このために南北と中国、日本、モンゴルが共同で取り組む北東アジア防疫・保健協力体を提案し、「多くの国がともに生命を守り安全を保障する協力体は、北朝鮮が国際社会との多国間協力で安保を保障される土台となるだろう」と強調した。COVID-19防疫のための国際協力を機に、参加国の間で信頼が築かれれば、究極的に朝鮮半島の平和プロセスの進展にも役立つだろう。

 何よりも北朝鮮が文大統領の提案に前向きに応じることを望む。また、米国、中国、日本など国際社会も、COVID-19の克服と朝鮮半島の平和という目標に向けて協力しようという文大統領の提案を積極的に支持することを期待する。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/963270.html韓国語原文入力:2020-09-23 05:59
訳C.M

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