本文に移動

[社説]平壌共同宣言2周年、停滞する南北関係を打破する果敢な発想を

登録:2020-09-21 06:38 修正:2020-09-21 08:18
文在寅大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長が2018年9月19日、平壌の百花園迎賓館で平壌共同宣言文に署名した後、合意書を見せている=平壌写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 19日は9・19平壌共同宣言2周年だった。2年前の今頃、南北首脳は朝鮮半島の非核化と「平和の朝鮮半島」を宣言し、白頭山(ペクトゥサン)に共に登った。胸が一杯になった当時の感動を思い浮かべると、対話が消えた最近の朝鮮半島の状況がさらにもどかしく、残念に思える。

 巡航していた南北関係は、昨年2月のハノイ朝米首脳会談の決裂後、立ち止まり始めた。状況はますます悪化し、今年6月に北朝鮮が開城(ケソン)南北連絡事務所を爆破したことで凍りついた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は平壌共同宣言2周年を迎え、19日、フェイスブックに掲載した書き込みで、「合意が急速に履行されなかったのは、内外的な制約を乗り越えられなかったため」だと明らかにした。

 文大統領が言及した制約の一つとして、朝米関係に連動した南北関係を挙げることができる。朝米関係の進展を通じて朝鮮半島の非核化問題を解決しなければならないことは明らかだ。しかし、この2年間、韓国政府が朝米関係を見守るだけではなく、外的制約を克服する措置を果敢かつ積極的に推進していたならばと思うと、残念でならない。

 南北関係が停滞しているからといって、平壌共同宣言を「平和ショー」と決めつけた19日の国民の力(旧未来統合党)の論評には同意できない。平壌共同宣言付属合意書として採択された南北軍事合意は、何度か危機はあったものの、大枠では南北が遵守している。朝鮮半島戦争説が流れた2017年の安保危機を考えれば、ここ2年間、地上や空中、海上で南北間に直接的な武力衝突がなかったことは重要な成果だ。分断以降、南北が偶発的な軍事衝突を防ぎ、軍事的緊張緩和のために積極的な初期の軍備統制政策を合意・履行したのは初めてだった。

 止まっている時計を蘇らせるためには、韓国政府はより果敢に創意的かつ積極的な措置を取らなければならない。来年下半期から本格化する大統領選挙の局面などを考慮すれば、文大統領が南北関係を主導的に改善する時間はそれほど多く残されていない。米国は11月の大統領選挙に、北朝鮮は新型コロナと洪水被害への対処に集中しており、朝米ともに外に目を向ける余裕がない。朝米関係と南北関係が長く漂流する可能性も少なくない。

 23日に開かれる第75回国連総会で、文大統領はテレビ電話で基調演説を行い、朝鮮半島と北東アジアの平和に向けた韓国政府の努力に対する国際社会の支持と関心を求める予定だという。今回の基調演説が、南北関係を雪解けの時間へと動かす契機になることを期待する。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/962899.html韓国語原文入力:2020-09-21 02:09
訳H.J

関連記事