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[社説]変化の意志見せぬ菅首相の「安倍そっくり内閣」

登録:2020-09-17 02:31 修正:2020-09-17 07:01
日本の菅義偉自民党総裁が16日、東京の国会議事堂で第99代首相に選出され、議員たちから祝福の拍手を受けている=東京/AP・聯合ニュース

 菅義偉首相が率いる日本の新政権が16日、公式に発足した。菅自民党総裁は同日、衆議院で圧倒的な得票を得て、日本の第99代首相に選出された。7年8カ月ぶりの首相交代だが、「安倍政権の継承」を強調する菅首相には、当面は大きな変化は期待できないというのが率直な評価だ。

 菅新首相がこの日発表した新内閣の閣僚名簿を見ると、「安倍内閣」がそのまま移ってきたかたちとなっている。安倍政権を支えてきた主要人物である麻生太郎副首相兼財務相、茂木敏充外相、萩生田光一文部科学相、梶山弘志経済産業相ら主要人物が留任している。防衛相には、安倍前首相の実弟で右派政治家の岸信夫議員が内定した。全20人の閣僚のうち、安倍内閣の現職閣僚は11人、元閣僚は4人だ。日本の変化を期待していた人々は失望させられる人選だ。朝日新聞は「安倍政権の継承が、人事でも前面に出る形」とし「党内では基盤に弱みを抱える菅氏の先行きを、不安視する声も上がる」と伝えている。

 菅首相が強調した「安倍政権の継承」の具体的な内容はまだ明らかになっていないが、推測することはできる。安倍首相は「アベノミクス」を掲げ、日本経済の再生を推進して世論の支持を集めつつ、一方では国内政治と安保懸案において日本を右傾化の道へと導いた。日米同盟の強化を基盤として、自衛隊が全世界で米国とともに戦える構造をつくり、平和憲法の改正を推進したものの失敗した。菅首相も安倍首相の意志を受け継ぎ、改憲を推進すると強調している。新たな連立政権樹立に関する合意文にも「憲法改正に向けた国民的議論を深め、合意形成に努める」と明示している。安倍政権の7年半にわたって続いてきた嫌韓、嫌朝、嫌中を土台とする政治が、菅政権でも続く可能性があるということから、憂慮されるサインだ。

 菅首相は、当面は新型コロナへの対応、経済回復、五輪開催などの国内課題に集中するとの意思を表明している。安倍政権の政策設計者ではあったものの、外交問題には大きく関与していないことから、権力基盤が安定すれば独自外交を進める可能性もある。米中新冷戦の危機の中、韓日協力の必要性は高い。両国政府が、韓国の推進する朝鮮半島平和プロセスと日本の望む朝日国交正常化などで接点を見出し、韓日関係改善の突破口を見いだすことを願う。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/962462.html韓国語原文入力:2020-09-16 18:42
訳D.K

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