東京五輪延期論争が急進展している。国際オリンピック委員会(IOC)は22日、緊急執行委員会の後、今年7月に予定されている東京五輪を延期する案を検討すると発表した。五輪が延期になった場合、その悪影響を心配していた日本の安倍首相も態度を変えて東京五輪延期を考慮すると明らかにした。五輪が延期される方向に向かっている様相だ。
先週までもIOCは東京五輪を正常に開催するという意志を曲げなかった。安倍首相も「完全な形」で五輪を開くと公言していた。しかし、選手の安全と健康を優先すべきIOCがあまりに現実を甘く見ているという批判が各国から殺到した。結局IOCは強行方針を撤回し、開催延期の検討に向いた。
世界的流行病になった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、すでに手のほどこしようもない速さで広まっている。ヨーロッパでは感染者が16万人を越え、米国でも一日1万人近い感染者が出ている。開催予定の7月ならば、4カ月しか残っていない。COVID-19の拡散状況がこのように深刻なのに、4カ月後に五輪が正常に開かれるというのはは現実的に難しい。各国の選手たちは政府が公的施設を閉鎖したために練習場所がなくなり、五輪の準備を万端に整えるのが難しい状況だ。カナダは事態が落ち着かない限り選手を派遣しないと発表した。時間が経つほど五輪不参加国が増える可能性が高い。日本国内の世論も五輪を延期すべきだという方が圧倒的に多い。このような状況で五輪延期は避けられない選択に思える。
現在の雰囲気から見て、延期でも今年の秋に開くことは容易ではなく、来年に開催される可能性が高いと思われる。カナダは1年延期を要請し、ノルウェーやブラジル、スロベニアも同じ提案をした。米国のドナルド・トランプ大統領も1年延期案を取り上げている。IOCは4週間以内に延期するかどうかを決めるとしたが、状況がこのようになった以上できる限り速かに結論を下す必要がある。それでこそ延期にともなう混乱を少しでも減らすことができる。来年に延期になった場合、莫大な経済的損失が予想されるが、選手たちの生命と安全より大事なものはない。五輪延期が現実化する可能性が高くなっただけ、韓国内でも延期の準備を徹底すべきだ。