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[社説]「確かな変化」約束した文大統領、国民が体感する成果を出さねば

登録:2020-01-08 04:54 修正:2020-01-08 09:17
南北関係改善による「朝米進展」に目を向け 
各種指標の改善に言及、現実と多少の乖離 
「不動産投機戦争に負けない」との約束を守るよう
文在寅大統領が7日、大統領府で新年の辞を発表している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「確かな変化」を通じた「共存と跳躍」に念を押した。文大統領は7日の新年の辞で「今年一年の確かな変化で国民の苦労に報いる」として「2020年は私と隣人の生活が等しく良くなり、経済が力強く跳躍する年になるようにする」と語った。彼は「国民が包容、革新、公正で確かな変化を体感できるようにする」と強調した。

 文大統領が「確かな変化」と「国民の体感」を力説したのは、「共に良く生きる国」「革新的包容国家」という政策基調を続けながらも不十分だった具体的な成果を、必ず達成するという意志を表したことだと分析される。昨年の新年会見で「国民が体感する経済政策の成果」を念押ししたにも関わらず依然として疲れて苦しい現実を、今年は必ず乗り越えることを期待する。

 文大統領は経済分野の各種指標を提示して成果を強調したが、現実とは多少の乖離がある。まず「雇用創出のために全方位的な政策の努力を尽くした結果、雇用が量と質で改善した」と述べた。就業者数が28万人増加、歴代最高の雇用率など具体的な指標も提示した。しかし、就業者は60歳以上の高齢層で最も多く増え、17時間未満の超短期雇用が急増したことも事実である。文大統領はまた「基礎年金引上げなど包容政策の成果により、相対的貧困率など分配指標がすべて改善した」と語った。しかし、政府の支援以外に低所得層が働いて稼ぐ所得は、相変わらず減少傾向から脱することができない。

 文大統領は特に「不動産市場の安定、投棄抑制に対する政府の意志は確固としている」として「不動産投機との戦争で決して負けない」と強調した。揺ぎない政策推進の意志を明確にしたのは正しい。住宅価格への不安が繰り返されないように総力を傾けてほしい。

 文大統領は外交安保分野では、南北関係改善を通じて朝米関係の進展を導くという、いわゆる「発想の転換」を提示した。文大統領は「朝米対話が膠着する中で南北関係の後退まで心配される今、朝米対話の成功のために南北協力をより増進させる現実的な案の模索が切実である」と述べた。文大統領は、そのため北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の答礼訪問の条件が整えられるよう努力するとし、南北間の鉄道・道路連結の方策の模索などを提案した。このような構想を現実化しようとするには、北朝鮮への説得に格別な努力を尽くさなければならない。同時に米国を説得するなど制裁を迂回する方策を探すのにも力と知恵を集めてほしい。

 文大統領は「極端主義は排撃され、保守と進歩がお互いに理解して手を取り合うことができなければならない」として「私からさらに努力する」とも約束した。過去3年間の積弊清算などで成果があったが、政治的対立が増幅されたことも現実である。文在寅政権は4年目に入った。文大統領が強調した国民が体感する確かな変化、共存と跳躍は、言葉ではなく実践が先頭に立ってこそ意味がある。文大統領は無限責任の覚悟で国政に臨み、新年の辞で国民と結んだ約束を必ず現実化してほしい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/923560.html韓国語原文入力:2020-01-08 02:11
訳M.S

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