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[特派員コラム]2・8独立宣言100周年

登録:2019-02-07 22:50 修正:2019-02-08 10:21
2・8独立宣言文//ハンギョレ新聞社

 東京都千代田区にある在日本韓国YMCAには「2・8独立宣言資料室」がある。1919年2月8日、東京の朝鮮人留学生は、在日本東京朝鮮YMCA(現在の在日本韓国YMCA)で独立宣言文を発表した。資料室は、2・8独立宣言代表11人の写真と共に、韓国語と日本語の宣言文も展示している。宣言文を改めて読んでみると、「東洋平和」という言葉がとても強調されている印象を受ける。宣言文には「日本は朝鮮が日本と唇歯の関係にあることを自覚していると称して、1895年清日戦争の結果、日本が率先して韓国の独立を承認した」 「ついに(露日)戦争が終結し、当時の米国大統領ルーズベルトの仲裁で露日間に講和会議が開かれたが、日本は同盟国である韓国の参加を許さず、露日両国代表者の間で任意に日本の韓国に対する宗主権を議定し、日本は優越した兵力を持って韓国の独立を保全するという旧約に違反した」と日本の表裏不一致な行動を批判する。続けて「日本に合併された韓国は、これに抗すれば東洋平和を乱す禍根となるであろう。わが民族は、正当な方法によってわが民族の自由を追求する」と訴える。

 朝鮮の独立が東洋平和のための道という認識は、2・8独立宣言が導火線となって朝鮮で起きた3・1運動にもあらわれる。3・1独立宣言文には「丙子修好条約(いわゆる「江華島条約」で、日本人に対する治外法権を認めるなどの内容を盛り込んだ不平等条約)以後、しばしば堅く結んだ各種の約束を破ったとして、日本の背信を罰しようとするものではない」とし、「わが朝鮮の独立は、朝鮮の人にとって正当な生存と繁栄を成し遂げさせると同時に、日本が誤った道から抜け出し東洋をつかみ支える者の重大な責任をまっとうさせんとするものであり、また、東洋平和をもってその重要な一部とし、世界平和と人類幸福の必要な段階になるようにすることだ」と訴える。

 3・1運動100周年をむかえて、日本の知識人たちが6日、東京の衆議院議員会館で開いた「2019年日本市民・知識人の声明」発表記者会見に参加した小田川興(前朝日新聞編集委員)在韓被爆者問題市民の会代表は、「3・1独立宣言文は、朝鮮独立や(朝鮮独立のための)日本の説得にとどまらず、東洋平和、言い変えれば東アジアの平和のために人道的精神に基づいて世界を改造しようという、かなり重大な声明だった」と話した。彼は「100年前にこういう声明が出たということが信じられないほど、深く広い内容が込められている。3・1運動を起こした2・8独立宣言文の精神を改めて学び、日本と韓国が共有し、平和連帯の宣言につながれば」と話した。

チョ・ギウォン東京特派員//ハンギョレ新聞社

 昨年から、3・1運動100周年をむかえ韓国で反日感情と動きが強まるのではないかという話を多くの日本人から絶えず聞いた。「反日」というレッテル貼り自体にも同意できないし、2・8と3・1独立宣言文の精神として強調されているのは、対立ではなく平和と共存だ。日本政府も日本の朝鮮半島植民地支配に対する反省を込めた「村山談話」(1995年)、植民支配は韓国人の意に反したものだったという点を日本の首相として初めて明らかにした「菅談話」(2010年)を通じて、過去の問題に対する反省と平和主義を進展させてきた。そして二つの談話は、韓日関係の基礎であり、安倍晋三政権もこれを正面からは否定できなかった。これは「2019年日本市民・知識人の声明」でも強調された内容だ。2・8独立宣言と3・1運動100周年をむかえ、両国関係の基礎になる精神とは何か、もう一度かみしめてみる。

チョ・ギウォン東京特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/881281.html韓国語原文入力:2019-02-07 18:55
訳J.S

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