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[社説]BTS騒ぎに映った韓日関係の悲しい姿

登録:2018-11-12 22:31 修正:2018-11-13 06:54
防弾少年団が5月20日、米国のラスベガスで開かれた「2018ビルボードミュージックアワード」で公演している//ハンギョレ新聞社

 世界的な人気グループ防弾少年団(BTS)の突然の日本での放送出演の取り消しは、韓国最高裁(大法院)の強制徴用判決以後一層離れた韓国と日本の関係の現在地を表わしたようで苦々しい。安倍政権が「旧徴用工」という表現の代わりに「旧朝鮮半島出身労働者」を公式用語として一元化することにしたという報道も11日になされた。

 詳しい内幕は確認されていないが、テレビ朝日が生放送前日に出演の取り消し決定を下したのは、多数の極右勢力の抗議やデモの心配も作用したと分かった。日本では2011年に韓流プログラムを大挙して放送していたフジテレビに対するデモとバッシングが広がり、視聴率が急落した前例がある。もちろん、1年も前メンバーの一人が着ていた光復節(終戦記念日)のТシャツを問題視するのは偏狭なことこの上ない。この写真はこれまでこれと言った関心を呼ばなかったが、先月韓国関連の記事を掲載しているあるサイトに載せられて問題になった。人類の悲劇である原爆投下の写真を使って日本の敗戦を表現したことは明らかに適切でないが、反日を意図したのでもない防弾少年団のメンバーの責任とはお門違いだ。NHKなどで防弾少年団の出演検討が続々と取り消しになっているが、このような形の対応は全世界に日本の不法植民支配問題を喚起するだけという事実を悟ることを望みたい。

 ただし、このような時ほど韓国もまた、日本には多様な考えを持っている人々がいるという事実も記憶してほしい。防弾少年団の出演取り消しに対しては「やぼな対応」であり「残念だ」という声も出てくるという。特に強制徴用問題がここまで来られたのは、日本の裁判所に被害者が訴訟を起こした20年余り前から物心両面で支援を惜しまなかった良心的な日本の市民の力が大きかった。11日、東京で約20団体が集まって結成された「強制動員問題解決と過去清算のための共同行動」がその代表だ。保守化して日本で嫌韓の雰囲気が高まる中でも「強制徴用は植民地支配で奪われた個人の尊厳問題」という信頼のもと、容易ではない歳月を経てきた人たちの声は響く。

 極右勢力と日本政府に対しては堂々と批判して要求するが、日本人たちの良心に対する呼び掛けと連帯の綱は手放してはならない。日本政府も最近、文化・スポーツなどの交流は続くように願うと表明しているだけに、前向きな態度を期待したい。13日から始まる防弾少年団の日本ツアーが、韓日の市民の心に小さな掛け橋をかけることを願う。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/869784.html 韓国語原文入力:2018/11/11 17:39
訳T.W

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