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[社説]南北首脳会談焦らず主導的役割から始めよ

登録:2018-02-19 00:50 修正:2018-02-19 08:12
文在寅大統領が17日、平昌冬季五輪のメインプレスセンターを訪問し、内外信の記者たちを激励している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が南北首脳会談をめぐって「大きな期待が寄せられているようだが、気が早いと思う」と述べ、「卵を見て時夜を求む(韓国語では『井戸からおこげを探す』)」ということわざを引用した。あまり急がずに落ち着いて進めようという話であろう。国内はもちろん米国と北朝鮮に向けたメッセージでもあるようだ。

 予想を越えた積極的で大胆な北朝鮮の提案に、韓国内ではすぐにでも首脳会談が開かれるような期待感が高まっているのは事実だ。北朝鮮に派遣する対北朝鮮特使の名前まですでに議論されるなど、「進度」が加速しているような錯覚すら覚える。しかし北朝鮮と米国は相変らず神経戦ばかりしていて、首脳会談の条件が熟したと見るのはまだ難しい。期待値が高いからといって急に加速ペダルを踏み突然障害物にぶつかれば、一層大きな失敗に遭う場合がある。文大統領が首脳会談推進において「猛スピード」の危険性を警告しているのは、さまざまな面から十分に妥当な指摘だ。

 しかし、だからと言って韓国政府は条件が整うまで手をこまぬいたまま待つこともできない立場だ。まず米国と緊密に協議し、北朝鮮と米国の対話の必要性を一層積極的かつ根気よく説得するべきである。幸い米国政府も少しずつ対話の方に近づく兆しが見え、期待が持てる。「北朝鮮が対話する用意ができたと言うのを耳を澄ませて(待って)いる」というティラーソン米国務長官の発言がその代表である。中国や日本との接触もおろそかにすることはできない。

 北朝鮮に対しても、米朝対話の意義ある進展がなければ首脳会談は容易ではないというメッセージを持続的に伝える必要がある。文大統領は「首脳会談は成果が担保されるべきで、会談のための会談はできない」という趣旨を繰り返し明らかにしている。文大統領の「首脳会談のスピード調節論」もその延長線にあると見なされる。北朝鮮は苦労して灯した「平和の火種」を生かすには米朝対話が避けられないという点をもう少しはっきり認識すべきだ。

 韓国政府は北と米国の間で主導的で能動的な「対話促進者」の役割を今度こそ果たすべき時だ。必要ならば両者の意見の違いを調整し、間接対話もリードせねばならない。米朝対話を通じた朝鮮半島の非核化という大きな方向を示し、国際社会の軸になる「平和ナビゲーター」の役割も同時に進めるべきだ。このように南北首脳会談のための国際的条件を徐々に作っていくなかで、自然に「朝鮮半島の運転者」としての文大統領の地位も確固となるはずだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/832579.html韓国語原文入力:2018/02/18 17:46
訳T.W

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