登録 : 2017.06.02 01:17 修正 : 2017.06.02 06:45

ドイツのアンゲラ・メルケル首相とドナルド・トランプ米大統領が先月26日、イタリア・シチリアのタオルミーナで開かれた主要7カ国(G7)首脳会議の開幕式で記念写真撮影の途中で対話を交わしている=タオルミーナ/AP聯合ニュース
 ドイツのアンゲラ・メルケル首相が28日、爆弾宣言をした。ドナルド・トランプ米大統領の一方主義と無礼にメルケル首相の忍耐も限界に達したように「私たち欧州人は自らの運命を自らの手で作っていかなければならない」と力説した。米国が主導した大西洋同盟の70年体制はそんな風に亀裂が始まった。

 トランプ政権は意図しようがしまいが、ますます孤立主義へ向かっている。欧州のみならず、アジアでも地形が大きく揺れる兆しを見せている。その核心軸は米国と中国の関係だ。レックス・ティラーソン米国務長官は、3月に北京を訪問した席で、そして5月初めの国務部職員を前にした演説で「次の50年間、中国と共存する方法を探したい」と述べた。相互の核心利益に対する保障を通じて、米中間の平和的共存が可能だと主張する中国の「新型大国関係論」と類似していた。

 米国と中国が次の半世紀を共存する唯一の方法は、お互いの勢力圏を認めることだ。その道だけが既存の強大国と新興の強大国の間の勢力交代期に必ず衝突が発生するという“トゥキディデスの罠”を避けられる。中国はアジア地域の覇権を狙う。ティラーソン長官の発言は、これを認めることもありうるという風にも聞こえる。

先月31日、ドイツを訪問した中国の李克強首相がアンゲラ・メルケル首相と会談に先立ち、軽い冗談を交えて楽しんでいる=ベルリン/AP聯合ニュース
 すでに、中国がフィリピンやベトナムなどの周辺国と領有権紛争を行っている南シナ海では、中国の影響圏確保戦略が相当に受け容れられている。米海軍はトランプ大統領就任以後初めて5月24日に南シナ海で「航行の自由」作戦を遂行したが、それまでだった。米国側の轟々たる宣伝戦もなく、中国側の反発も特段激しいものではなかった。南シナ海問題と関連して、米中が妥協地点を見つけたようだと消息筋は伝えている。中国は南シナ海に人工島を作り軍事基地化を大きく進展させた。トランプ政権は途方もない費用を払わなければ、これを覆すことは難しいと判断している。

 そうだとしても、トランプ政権は米国内の対中強硬派世論を意識せざるをえない。中国もそうした米国の事情を理解している。それで、3、4個の合意がなされたという。まず、米国が「航行の自由」作戦の事実をできるだけ公開しないことだ。第二に、米国がフィリピンやベトナムをそそのかさないことだ。最後に、米国の戦艦が中国の人工島12海里内に航行する時、中国の戦艦が後について「監視する」ことだ。南シナ海問題で余裕を見出した中国は、北朝鮮の核問題解決に相当な優先順位を置くだろう。

 米国の求心力弱化は、中日関係の変化を招くこともありうる。日本の安倍晋三政権は、米日同盟の強化と自らの軍事力増強という二重の戦略を取ってきた。トランプ政権に対する不信が高まるほど、日本は米日同盟の枠から徐々に抜け出す側に移動しうる。こうした脈絡で、中国の楊潔チ外交担当国務委員の29日から3日間続いた訪日は示唆するところが大きい。ワシントンの消息筋は「安倍首相が来年初めの中国訪問を念頭に置いて動いている」と伝えた。中日関係は複雑で微妙な変数が多いため、首脳会談成功の可否は不透明だが、注目しなければならない動きだ。

イ・ヨンイン・ワシントン特派員//ハンギョレ新聞社
 少なくともトランプ政権が続く限り、米国の覇権的影響力は傾向的に下落するだろう。経済的不平等、政治的両極化、人種的軋轢などがトランプ大統領を当選させたし、トランプ大統領の当選はこうした米国内の矛盾を再びあおりたて、対外関係にも投影されている。米国の影響力弱化が太平洋を渡り、どんなバタフライ効果を誘発するのか、あらゆる想像可能な対応シナリオを準備しなければならない。それでこそ北朝鮮の核と南北関係の船を漕いで行く過程で逆風に慌てず順風の機会を逃さずに済む。

イ・ヨンイン・ワシントン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2017-06-01 20:30
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/797188.html 訳J.S(1660字)

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