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[社説]光州民主化闘争犠牲者を愚弄する全斗煥氏と朴槿恵大統領

登録:2016-05-18 07:42 修正:2016-05-18 08:51
5・18光州民主化闘争36周年追慕祭が開かれた17日午前、光州北区の国立5・18民主墓地で1980年当時、息子のキム・ビョンヨン氏を失ったイ・ボンギル氏が号泣している=光州/キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

 5・18民主化運動(光州事件)が36周年を迎えた。民主主義に向けた犠牲者たちの崇高な意志を称え、この地に民主主義をさらに花咲かせるため努力することを確認せねばならない日だ。ところが、現実は正反対に向って進んでいる。5・18の真実を隠し、精神を歪曲しようとする動きが各地で起きている。

 全斗煥(チョンドゥファン)元大統領は最近、東亜日報の月刊誌「新東亜」のインタビューで「光州(クァンジュ)と私とは何の関係もありません」と5・18での発砲責任を全面否定した。当時の全羅南道庁前の集団発砲が『偶発的な自衛権発動レベル』とした新軍部の主張は嘘で、発砲命令が新軍部の核心指導部ー特殊戦司令部ー空輸部隊の指揮系統を通じてされたのは、すでに多くの証言で確認されている。仮に全氏が直接発砲の指示を出していなかったとしても、新軍部の最高責任者として数百回頭を下げてでも犠牲者に謝罪して許しを請うべきところだ。にもかかわらず全氏は、謝罪どころか「大統領になろうとしてなれなかった人がそういう謀略を…」などととんでもない言葉で言い逃れた。

 全氏は「歴史的責任感で謝罪する用意はないか」と問われ、「光州に行って何をしろと言うのですか」と問い返すばかりで、具体的な返事は何もしなかった。インタビューには当時の特戦司令官だったチョン・ホヨン氏ら新軍部の核心幹部らも同席したが、いずれも全氏の言葉に相槌を打つことしかしていない。加害者が謝罪どころか大口をたたく姿は、36年の時が流れてもまったく変わらない。

 犠牲者たちに対する侮辱は全氏に限ったことではない。5・18民主化運動記念式の主人公は誰がなんと言っても犠牲者遺族と有功者である。だが、朴槿恵(パククネ)政権は記念式の主人公たちが「あなたのための行進曲」の斉唱を心から望んでいるというのに、聞きいれようともしない。朴大統領は「国論分裂」などと言うが、野党だけでなく与党のセヌリ党まで斉唱に賛成しており、国論も完全に統一されている。反対している人は、5・18を北朝鮮軍が介入した暴動と主張し、犠牲者の遺体を魚に喩えるごく少数の者たちだけだ。それでも大統領府と報勲処は、こうした反倫理的で破廉恥な一群を5・18遺族及び有功者らと同列に考えているのだから呆れるばかりだ。「五月の光州」は今も続いている。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-05-17 19:08

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/744246.html 訳Y.B

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