登録 : 2016.01.20 23:43 修正 : 2016.01.21 06:32

ガールグループTWICEのメンバー、ツウィが放送番組で台湾の国旗を振ったことをめぐる問題が続く中、18日、ソウル江南区のツウィの所属事務所JYPエンターテインメントにパク・ジニョン代表の顔写真がかけられている=聯合ニュース
 JYPのパク・ジニョン代表が時間を元に戻せるなら、「ツウィ事態」で別の対策を講じられるだろうか?

 今月8日、中国で活動している台湾の歌手、黃安が、女性アイドルグループ「TWICE」の台湾出身メンバーのツウィ(子瑜)を「台湾独立分子」と非難し、中国のネチズンの間で波紋が広がったことを受け、JYPがツウィの謝罪動画を公開したのは15日夜のことだった。黒い服を着て緊張した面持ちの16歳の少女ツウィは、腰を曲げて深く頭を下げた。「申し訳ございません。もっと早く出てきて謝罪すべきでしたが、どうしたらいいのか分らず、今になってしまいました。中国は1つしか存在せず、両岸(中国と台湾)は一体であり、私は中国人であることを誇りに思っています」。紙に書かれた文章を読んでいく声は震えていた。

 台湾総統選挙を翌日に控えた15日、台湾人の怒りは爆発し、台湾の両岸政策協会の調査結果、ツウィの動画を見た後、134万人の若い有権者が当初の意思を変え、中国に批判的な蔡英文候補に投票したことが分かった。当選者の蔡が獲得した689万票のほぼ20%だ。

 中国人たちはこの謝罪動画をどのように受け止めたのだろう。何人かの中国人に聞いてみると、「やらされているか、中国市場のために無理やり謝罪している感じがはっきりと見て取れた」「謝罪しない方がまし」という反応だった。中国当局も、敏感な台湾総統選挙直前に、反中感情に火をつけた「謝罪動画」を公開したパク・ジニョン代表がさぞかし恨めしいだろう。

 JYPの対応には、幼い歌手の人権に対する感受性も、中国と台湾の政治・社会に対する理解もなかった。利益が大きい中国市場で、少しでも早く事態を鎮静化すべきだという焦りだけが募り、無理な対応で四面楚歌に陥った。

 「ツウィ事態」が韓国、中国、台湾を震撼させた今週初め、中華圏最大の有力週刊誌『亜州週間』のカバーストーリーは「韓流の中国化」だった。現在、中国では韓国のバラエティー番組のフォーマットをそのまま輸入して中国の芸能人を登場させた番組が大流行している。「無限挑戦」をもとに上海の製作会社とMBC(文化放送)制作陣が共同制作した「了不起的挑戦(大変な挑戦)」や、「ランニングマン」の枠組みをそのまま使った「奔跑吧, 兄弟(走れ、兄弟)」をはじめ、中国版「パパどこ行くの」「私は歌手だ」など、韓流バラエティー番組、約20本が放送されている。国営放送として政治的宣伝の色合いが強い中国中央テレビ(CCTV)が「了不起的挑戦」をメインニュースで取り上げ、大々的な宣伝に乗り出すほどだ。

 韓国を代表するディレクターたちが直接中国に進出する韓中合作3.0モデルも登場した。韓国バラエティー専門ディレクターを象徴するディレクターのキム・ヨンヒ氏は、中国での活動に舞台を移し、中国の芸能人たちが親と一緒に過ごしながら、起こるハプニングを取り上げる「旋風孝子(爆風親孝行)」を製作し、湖南衛星テレビで放送する。

 中国文化産業は韓流に巨額を払い、韓国の放送局とプロダクションは、巨大市場の力に魅了されて、中国に“オールイン”しているのが現実だ。中国政府の事前検閲を通過するため、韓国の放送局は先を争ってドラマの事前制作に乗り出している。

 このような「共生関係」がいつまで続くだろうか?韓国で成功したフォーマットの輸出や中国の検閲基準に合わせるのに気を取られて、これ以上斬新な番組を生み出せず、中国人たちに飽きられてしまったら、どうなるだろう。市場はバラ色に見えるが、複雑な政治がいつでも市場を制御できる中国で、市場の利益だけを見て動く韓流の現実はいかに危険か。中国市場の利益のために、他の地域のファンたちの気持ちや芸能人の人権が無視される韓流モデルは、持続可能か。ツウィ事態は数多くの問いと警告を投げかける。

パク・ミンヒ・文化スポーツエディタ(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-01-20 18:34

http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/727066.html訳H.J

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