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[社説] 朴槿恵大統領の内容なき対北・対日メッセージ

登録:2014-08-15 23:02 修正:2014-08-16 08:49

 朴槿恵大統領が光復節(植民地解放記念日)の祝辞で、行き詰まっている南北関係を打開するための提案をすると期待されていたが、無理だった。 過去の問題解決に消極的な日本に対しても原則的な言及に終わった。最大の政治懸案であるセウォル号特別法については一言も語らなかった。軍隊内の暴力や経済活性化などの国内事案に関連しても既存の発言を繰り返した。

 北朝鮮に関連した新しい内容は、河川・山林管理共同協力事業、10月の平昌(ピョンチャン)での「生物多様性協約当事国総会」への北代表団の出席招請、田舎の生活環境改善協力、来年の光復70周年の共同記念文化事業準備などだ。すべて南北関係の大きな流れとは距離がある内容だ。最大の関心事である「5・24措置」解除問題や、金剛山(クムガンサン)観光の再開は避けるという意図と読みとれる。最近、北朝鮮が批判を続けている体制統一(吸収統一)の心配をはらすための言及もなかった。これでは南北関係好転のきっかけは生まれにくい。朴大統領は 「統一を準備することは、もうこれ以上先送りできない歴史的な使命」と語ったが、南北関係を好転させられない限りむなしい言葉にすぎない。南北関係が進展しなければ北朝鮮が核を放棄する可能性も減る。

 日本に対しては来年が国交正常化50周年であることを想起して、慰安婦問題などの過去の傷を癒すための努力と決断を促した。しかしこの日、日本の政府閣僚らと約80人の国会議員がこれ見よがしに靖国神社に参拝した。安倍晋三首相は参拝こそしなかったものの玉串料を納めた。朴大統領は対日批判のトーンを下げたのに、日本は耳を傾けるそぶりも見せていない。

 光復節の祝辞は北朝鮮や日本に対する政策の新しい方向を提示するルートとして国内外の注目をあびてきた。特に今年はそのような必要性がより大きい状況だった。それなのに中身に欠けた祝辞になったことは、問題意識と戦略的思考が足りないためと見るほかない。

 政府は南北関係で既存の対応法だけに固執するのではなく、北朝鮮が呼応できる実質的な措置を幅広く検討すべきだ。特に南北関係の基本が交流・協力であることを認めるならば、5・24措置の緩和・解除と金剛山観光の再開問題を避けることはできない。朴大統領が言及した環境・民生・文化協力も相当の部分が5・24措置に反する。政府が今のような態度を貫くならば、11日に提案した高位級接触が実現しても目立った成果をあげるのは難しい。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/651347.html 韓国語原文入力:2014/08/15 18:09
訳T.W(1141字)

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