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[社説]キム・ヨナ( 金妍児)がいて幸せだった

登録:2014-02-22 15:54 修正:2014-02-23 20:36

 フィギュア女王、金妍児(キム・ヨナ)選手が2014ソチ冬季オリンピック フィギュアスケートで素晴らしい集大成を見せた。現役選手として最後の舞台である今回のオリンピックで、金妍児は女子シングルでショート74.92点、フリー144.19点の計219.11点をとり、銀メダルを獲得する快挙を成し遂げた。不公正な判定物議をかもして計224.59点を得たロシアのアデリナ・ソトニコワにたとえ金メダルを許さぜるをえなかったとしても、オリンピック2連続入賞という大記録を残して選手生活の有終の美を飾った。

 小学生だった1997年から選手の道を歩み始めた金妍児の17年のフィギュア人生は、韓国フィギュアにとどまらず世界のフィギュア界の歴史と言っても過言ではない。金妍児は2009年3月に米国で開かれたフィギュア世界大会で総点207.71点で女子フィギュア史上初めて200点を突破。続く2010年のバンクーバー冬季オリンピックでは何と228.56点という歴代最高点で金メダルを受けた。

 金妍児がフィギュアの歴史を一歩一歩切り開いていくたびに我々国民も感慨あふれる思いでその歩みに共感した。彼女が曲に合わせて幻想的なジャンプを決めると国民も歓呼し喜んだ。金妍児が負傷で挫折したり、行き詰ったりしたときは国民も彼女とともに痛みを感じた。彼女の美しく力強い姿はあたかも世界に向けて飛び立つ我が国の若者の羽ばたきとも重なった。金妍児とともに我が国も、国民も、世界で一層育ち大きくなった。

 オリンピック連覇という当初の目標は達成できなかったものの、彼女が見せてくれた円熟ぶりと美、努力する姿は何にも増して価値があった。金妍児は最後の競技を終えても真のチャンピオンらしい姿を見せてくれた。彼女は "1位ではないけど持てる全てを披露でき、気持ち良く、感謝したい" と話した。血のにじむ努力を通じて究極の域に達した者だけが見せうる美しい態度だ。

 世界のマスコミが指摘するように金妍児に対する審判の判定は残念なことこの上ない。地元ひいきのもとで審判の不公正な判定によりロシア選手が金メダルを受けたという国際的世論があふれ出ている。金妍児がもっと公正な判定を受けていたらどうなっていたかと考えると残念でならない。しかし金妍児が "体力的、心理的限界を強く感じながらも克服できたという点で100点満点の120点" と自ら話したように、彼女は今や我々の胸の内の英雄、我々の胸中の永遠なる金メダリストだ。競技者だった間、地球村の多くの若者に夢を、そして我々国民には希望と自信を植え付けた彼女に敬意を表したい。彼女の前途に栄光と幸せが続くことを願おう。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/625283.html 韓国語原文入力:2014/02/21 18:58
訳T.W(1218字)

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