"私も人間だから緊張しました。" いくら‘鋼鉄の心臓’であっても緊張した表情が歴然だった。ウォーミングアップをしながらも、状態が完全とは見えなかった。 キム・ヨナは "脚が動かないほどだった" と話した。 しかしリンクに立ち音楽が流れるや、いつものように完ぺきなジャンプを見せた。 女王の最後の舞台を壊せるものは何もなかった。
‘フィギュアの女王’キム・ヨナ(24)が2014ソチ冬季オリンピックで完ぺきな演技を披露し、オリンピック2連覇の1段階を終えた。 キム・ヨナは20日(韓国時刻)ロシア ソチのアイスベルク スケーティング パレスで開かれたフィギュアスケーティング女子シングル ショートプログラムで、技術点(TES)39.03点,芸術点(PCS)35.89点を加えた74.92点を受け、74.64点(技術点39.09 ・芸術点35.55)を受けたロシアの新星アデリナ・ストニコワを押さえ首位に上がった。 キム・ヨナは「練習の時にはあれほど上手くできたのに、試合でできないことはないと自分自身を信じて身を任せたが、幸い失敗なしに終えられてとても満足だ」と所感を語った。
キム・ヨナのライバルとして急浮上したユリア・リプニツカヤは5番目の実行課題であるトリプル フリップ ジャンプで倒れるなど、団体戦で発揮した技量を全ては発揮できずに65.23点(技術点33.15・芸術点33.08)で5位にとどまった。 長年のライバル浅田真央(日本・24)は、最初の課題であり必殺技でもあるトリプル アクセル(基本点8.50)で転倒した後、その余波でトリプル フリップまで失敗するなど惜しい演技で55.51点、16位に終わった。
この日キム・ヨナが受けた点数は、自身の歴代国際大会での成績中で5番目に高い点数であり、国際氷上競技連盟(ISU)が公式集計する今シーズンの最高点だ。 一層深まった表現力と教科書のような名品ジャンプで、技術点と芸術点を共に最高水準で受けた。 2位のストニコワはキム・ヨナより技術点数は0.6点高かったが、振りつけと曲解釈などでキム・ヨナに達し得なかった。 3位に上がったカロリーナ・コストナー(74.12点)は36.63点という高い芸術点を受けたが、ジャンプの完成度がキム・ヨナに比べて不足した。
3組5番目の順序で演技したキム・ヨナは、競技前のウォーミングアップに出てきた時、緊張いっぱいのそぶりが顔に歴然と見えていた。 からだも重く見えたし、ウォーミングアップも普段より長く行った。 コンディションが良くなかったのではないかという憂慮があった。 しかし黄色く輝くオリーブグリーンの衣装を着て氷板に登場したキム・ヨナが穏やかな旋律と共に腕を伸ばしてあげて演技を始めるやキム・ヨナはたちまちリンクを圧倒した。
切ない懐かしさを込めたミュージカル挿入曲‘道化師を送って’を主題曲に今年のシーズン ショートプログラムを構成したキム・ヨナは、待ちに待った最後の舞台にふさわしく完成度の高い演技を見せた。 最初の課題であるトリプル ルッツ-トリプル トゥループ コンビネーション・ジャンプ(基本点10.10点)からきれいに決めた。 審判陣はこのジャンプに1.50の高い実行点(GOE)を上げ、最初の課題から11.60点を獲得した。 続いてトリプル フリップ(基本点5.30点)もすっきりと決めて実行点数1.10点を加えた。 キム・ヨナは自分だけの独特の変形フライング キャメル スピンでレベル4を受け、演技の前半部が終えられた。
演技の後半部はダブル アクセルで始まった。 音楽の中間地点である1分25秒を過ぎて10%の加算点が付き、基本点3.63に実行点数1.07を加えた。 ソチオリンピックに先立って行ったゴールデン スピン オブ ザグレブと国内の総合選手権大会で全て意外な失敗を犯したが‘強心臓’にふさわしく本舞台では完ぺきだった。
続いてキム・ヨナはレイ バックスピンと華麗なステップ シークエンスでムードを盛り上げた。 両技術共にレベル3を受け、それぞれ基本点2.40と3.30に実行点0.79,1.14を加えた。 穏やかに続いた音楽はキム・ヨナのチェンジ フット コンビネーション スピンと共に絶頂をむかえた。 キム・ヨナは今回のスピンでは最高のレベル4(基本点3.50)を受け実行点も1.07点を獲得した。
スピンを終えたキム・ヨナが体を前方に押し出し両腕を滑らかにのばす動作で演技を終えるや客席からは国籍を問わず歓呼が溢れた。演技を直接見守った外信記者たちも、キム・ヨナの演技が終わった時だけはペンを置いて拍手を送った。 ワシントン ポストの有名コラムニスト サリー・ジェンキンスはライバルはまだ演技も始まっていないのに "今回も金メダルはキム・ヨナのものだ。本当に幻想的だった" として賞賛を惜しまなかった。
この日キム・ヨナと共に出場したキム・ヘジン(17・果川(クァチョン)高)とパク・ソヨン(17・新木(シンモク)高)は、それぞれ54.37点(技術点29.23・芸術点25.14)と49.14点(技術点25.35・芸術点23.79)で18位と23位になり、上位24位までに与えられるフリースケーティングの出場権を獲得した。
競技後フリースケーティング組み合わせの抽選で最後の24番を選んだキム・ヨナは、21日午前3時46分に同じ会場で開かれるフリースケーティング競技で有終の美を飾ることになった。パク・ソヨンは一番目で、キム・ヘジンは9番目である2組3番目の順序で出場する。
ソチ/ホ・スン記者 raison@hani.co.kr