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[社説]‘金大中内乱陰謀’持ち出したあきれた検察

登録:2014-02-12 21:45 修正:2014-02-13 07:12

 検察が統合進歩党のイ・ソクキ議員らの内乱陰謀事件裁判で、かつての金大中 元大統領の内乱陰謀事件判決を、有罪の根拠として裁判所に提出したという。1980年に最高裁が‘暴力デモを助長して全国民的蜂起を促す宣言文を発表したことで、内乱陰謀罪の要件に該当する’と判断し、2004年の再審では無罪を宣告したものの構成要件自体を否認したものではないとの論理を持ち出した。一言で言えば詭弁だ。

 まず検察の主張自体、法律的にあきれる。1980年の最高裁判決の適否はさて置いても、2004年の再審判決の趣旨を歪曲・飛躍しているのはとんでもない。再審判決文のどこにも当時の行為が構成要件に該当するという表現はない。 "全斗煥らの憲政秩序破壊犯行を阻止したり、それに反対することによって憲法の存立と憲政秩序を守るための正当な行為" として、内乱陰謀容疑などに対して無罪宣告した。検察はこれに対して "再審裁判所もまた、構成要件の該当性は認めたものと判断される余地が多い" として都合よく取ってつけている。しかし正当な行為という表現だけで構成要件の該当性は認めたというのは行き過ぎた飛躍であり、厳密な適用と解釈を基本とする刑事法の大原則にも反する無理な主張だ。

 いわゆる‘金大中内乱陰謀事件’が持つ意味に対する検察の非常識さと反歴史性も指摘せざるをえない。銃で政権を奪った新軍部は、執権を正当化するためにさまざまな拷問を犯し、民主化以後の再審法廷でほとんど無罪判決が下された。この事件はクーデター勢力が公安検察と御用司法府を動員して作り出した代表的なねつ造事件で、国民の民主化闘争の過程を通じて政治的・法的判断がすでに成された事案だ。検察がいかにイ・ソクキ事件の有罪を焦ったとしても、この事件を持ち出したのは国民的合意と常識を覆す妄動だ。

 最高裁は、軍事政権に賦役した潔くない過去に対して公式的・公開的な反省と謝罪をすでに何度もしたし、再審判決文にもそのような趣旨を入れてきた。しかし検察は軍事政権時期の多くの拷問でっち上げ、容共ねつ造事件に対して一度も公式に反省したり謝ったことがない。さらに民青学連事件の再審裁判過程では "苛酷行為は司法警察、検察段階でなされたもので、公判過程であったわけではない" という妄言まで行った。検察が80年の金大中事件を持ち出したことも又、このような内部の雰囲気と関係がなくはないだろう。水原(スウォン)地検だけでなく検察組織全体が今回の機会に先輩たちの恥辱の過去をきちんと整理することを望む。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/623427.html 韓国語原文入力:2014/02/10 18:34
訳T.W(1182字)

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