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[社説] 教師も父母も拒否した親日独裁教科書

登録:2014-01-03 22:14 修正:2014-01-04 08:43

 親日と独裁を美化した教学社版歴史教科書を選択した高等学校が全体の1%未満であることが分かった。この教科書を積極的に擁護した政府・与党に対して、教育現場で冷静な審判が下されたと見られる。特に教育部と国史編纂委員会はこのような結果が何を意味するのか、自分の姿を真剣に振り返ることを求めたい。

 教学社の教科書の深刻な歴史わい曲と粗雑な品質を見れば、今回の結果はあまりにも当然の結果だ。青少年が誤った歴史観に振り回されることを願う教師も父母もいないはずだからだ。歴史を見る視点は多様であるが、この教科書の内容は学界と国民が受け入れられる範囲を大きく逸脱している。この教科書の関係者たちは、親日・独裁勢力に対する穏当な批判意識をマヒさせようとする政治的意図を隠さなかった。そうすることで歴史の審判を受けなければならない一部の既得権層の利害関係を最大化・永続化しようとしたのだ。その上学界の基本的な検証手続きさえ無視して、あらゆる誤りだらけなのだから、教科書と呼ぶのが恥ずかしいほどだ。

 この教科書を選択した学校でも問題が続いている。京畿道(キョンギド)水原(スウォン)の東佑(トンウ)女子高ではこの教科書採択を批判する生徒の壁新聞が張り出され、蔚山(ウルサン)の現代高校ではセヌリ党のチョン・モンジュン議員が最近まで同校の財団理事長をしていたことに関連して各種のうわさが出ている。京畿道坡州(パジュ)の雲井(ウンジョン)高などでは、父母の抗議で教学社の教科書採択決定を変えることにしたことは幸いだ。これらの学校では、‘教師たちの考えと違う教科書を選択するよう校長が圧力を加えた’という噂が広がった。教学社の教科書を選択した他の学校の採択過程を調べれば、似た事例がまだある可能性は高い。

 政府・与党と守旧勢力は過去数ヶ月間、あらゆる手段を使って‘教学社版教科書支援’を進めた。教育部は類例がない事実上の再検定手続きを踏んで拙速に修正命令を下したし、教学社教科書を最終承認した後にも再び校正する機会を与えた。彼らがこの教科書問題をぼかそうと、すべての教科書が問題であるかのように針小棒大したことはこの教科書を‘歴史戦争’の主な手段としていることをよく示している。この過程で既存の検定制度はゆがめられ、様々な訴訟が相次いだ。

 1%未満の採択率でも油断していいわけではない。10年前は無視してもかまわないほどのレベルだった日本の歴史わい曲教科書の採択率が、4%まで上がっていることを反面教師にすべきだ。現在、従軍慰安婦の被害者らは教学社の教科書に対する頒布禁止の仮処分申請をしている状態だ。裁判所もこの教科書の締め出しに寄与するよう期待したい。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/618192.html 韓国語原文入力:2014/01/03 09:20
訳T.W(1234字)

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