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[社説] 独裁の被害者たちが切り拓いた‘第2の民主化運動’

登録:2013-12-24 21:10 修正:2013-12-25 10:54

 維新独裁時期(朴正熙政権後半)の緊急措置9号違反で獄中生活をした被害者たちが国家から受け取った賠償金を出し合って‘アジア民主主義と人権基金’を作ることにした。朴正熙維新独裁政権に対抗して民主化運動を行った際に米国、日本、ドイツなど多くの国から受け取った支援を我が国よりも民主主義と人権水準が遅れている国に回す第2の民主化運動に乗り出すという志だ。その崇高で見事な連帯精神に拍手を送りたい。

 チョ・ヒヨン聖公会大教授ら6人は23日、美しい財団と5億5000万ウォン規模の基金を契約する約款式を開いた。この話を聞いてチャン・ジョンス元ハンギョレ編集者ら14人も参加する意向を明らかにした。緊急措置の被害者が計1200人余りに達するという点を考慮すると、今後被害者の寄付の申し出はいっそう増えるものと見られる。

 基金の運用・執行を引き受けた美しい財団は、この基金をアジア諸国の政治難民支援、アジア市民社会発展のための教育支援や公益出版、情報技術支援を通した民主主義伝播などの代案言論支援、アジア民主主義や人権向上事業の支援に使う計画だという。これまで我が国の市民社会が生活が苦しい隣国市民に経済的な助けの手を差し伸べた例はあったが、民主化と人権増進のための基金を作って支援したことはなかったという点で、非常に画期的なものだ。

 このような動きが、朴槿恵政権がこれまで我が国の市民が血の汗を流して積み上げた民主主義と人権の成果を無視して、再び朴正熙政権時の権威主義時代に逆戻りするような風潮の中で生まれてきた点も注目に値する。過去の痛みを乗り越えて進もうとする者と、再び暗い時期に回帰しようとする者の対比は、何よりも鮮明だ。

 韓国の誇らしい民主化と人権の成果を守り大きく広めることは、今や緊急措置の被害者だけの責務ではない。人類の普遍的価値を守り、歴史の逆戻りを望まないすべての市民が乗り出すべきことだ。‘行動する良心’だけが明るい未来を作ることができる。志ある多くの市民が緊急措置被害者が切り拓いた第2の民主化運動の隊列に積極的に参加することを期待する。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/616840.html 韓国語原文入力:2013/.1/2.24 19:03
訳T.W(1003字)

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