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[社説] 韓国史の受験必須化は解決策にならない

登録:2013-08-01 14:38 修正:2013-08-01 21:31

 青少年の歴史認識を高める方法として韓国史を修能(訳注・大学入学試験)の必須課目に指定する方案が政府・与党内で重点的に検討されている。しかしこの案は現行の教育課程と修能の体制を乱して、生徒たちの負担を増やすだけで、本来の目的を成し遂げ難い。

 小学校から高校までの歴史教育の授業時間数は現在357時間(韓国史289時間)で世界最高水準だ。韓国史は高校社会科の科目の中で唯一の必修課目でもある。その上に修能必須課目にまで指定されれば生徒たちが韓国史の勉強に注がなければならない時間はさらに増えることになる。社会探求10科目の中で2科目を選択することになっている現行の修能体制を全面的に変えない限り他の社会科目は存立基盤さえ危うくなるだろう。韓国史を社会探求から抜き出して必須にしようという意見もあるが、この場合には今でも過重な生徒たちの負担がさらに増えて学校外の教育市場が膨張する可能性が大きい。

 教育効果の面でも韓国史の修能必須課目化の主張は便宜的な性格が強い。他の科目より授業時数が多いのに、教育が正しくなされないとすれば教育方式に問題があるわけだ。それにもかかわらず、これに対する徹底した原因分析はなされていない。改善策を探すための教育当局の真剣な悩みも見出し難い。また正しい歴史認識は基本的な知識を基に多様な見解を総合できる判断力を前提とするが、正解を選び出すことに重点を置かなければならない修能点数競争では、それを保障できない。教育の役割を点数競争に変えては、かえって歴史認識を下げることになるだろう。

 与党が韓国史の修能必須課目化を積極的に検討することになった背景もまた問題だ。朴槿恵大統領は6月17日 「高校生の回答者の69%が6・25を北侵だと答えたという衝撃的な(世論調査)結果が出た」として‘教育現場の真実歪曲’を挙論した。だが、実際に真実を歪曲したのは、でたらめ調査を大きく浮き彫りにした朴大統領自身だった。それでも彼女は一歩進んで7月10日‘歴史科目は評価基準に入れなければならない’と話し、25日には‘国史を偏向的に教えれば、学ぶ生徒たちに害を与えかねない’と話した。大統領選挙の際に「維新体制」を擁護した彼女のこのような発言は、自分に都合の良い歴史観を教室を通じて広めようとする発想と疑わざるをえない。

 青少年の歴史認識を育てるには、自由な討論を通じて思考力を育てる教室の雰囲気が作られなければならない。現状の授業時間だけでうまく活用しても十分にそうできる。教育当局は政治的な雰囲気に巻きこまれ変な具合に対策を見出そうとしないことを望みたい。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/597812.html 韓国語原文入力:2013/07/31 18:58
訳T.W(1203字)

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