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[社説] 政府の無理な要求がもたらした‘南北会談中止’

登録:2013-06-12 21:07 修正:2013-06-13 06:32

 南北が12日から二日間の日程でソウルで開くことにしていた高位級当局会談がひとまず開催中止に終わった。理由は首席代表の格をめぐる異見だ。場所と日程、議題まで合意しておきながらも会談が失敗に終わったのは異例だ。当初から無理な要求をしたわが政府が、北より責任が大きい。

 政府は当初、長官級会談をしようといった直後、北側のキム・ヤンゴン労働党統一戦線部長が首席代表として参加すべきだという意向をほのめかした。政府は9日に開かれた実務会談でもキム部長の出席を要求した。このために会談が翌日明け方までもつれこみ、長官級会談という名前も当局会談に変わった。キム部長が参加する可能性が見られないとして政府は、11日に統一部次官を首席代表とする名簿を北側に伝達した。祖平統書記局局長を首席代表として提示した北側がこれを受け入れなかったため議論はそれ以上進められなかった。6年ぶりに再開される予定だった高位級会談が事実上政府自身が設けた障害物によって座礁したわけだ。

 政府の態度は色々な面で問題がある。キム部長は政府ではなく党に所属した人だ。政府当局者間の会談にキム部長の出席を執拗に要求したことは妥当でない。どうしてもキム部長を対話相手に求めるならば、当初から長官級会談でなく他の名前の会談を提案すべきだった。過去にもキム部長の相手は国家情報院長などであったし、統一部がない北韓は長官級会談に交渉能力がある‘内閣参事’等を出席させてきた。政府がこれを誤った慣行というのは過去のさまざまな会談を否定するものだ。また、行動と権力から考えればキム部長は副総理級にあたると専門家たちは言う。政府は恐らく開城(ケソン)工業団地の操業中断を主導したキム部長を出席させ、直接責任を問い詰めたかったのかも知れない。しかし開城工業団地問題は誰が代表として参加しても議論できる。

 今、南北関係は首席代表問題で最後まで神経戦を行うほど暇ではない。開城工業団地の正常化が早くなされなければ長期閉鎖に向かう可能性が大きい。最近関連国が活発に議論している朝鮮半島非核化の努力も影響を受けざるをえない。南北会談で直接北韓の核問題を扱うわけではないが、非核化対話の力を作り出す役割をすることができるためだ。会談が開かれえないならば南北関係がかえって非核化対話の障害物になることもある。

 過去のやり方はすべて誤りだとしていては、南北対話がなされ難い。政府が話す信頼と原則という言葉がこのような形で間違って使われてはならない。政府は今からでも無理な主張を撤回して解決方法を探すことを望む。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/591353.html 韓国語原文入力:2013/06/11 22:36
訳T.W(1192字)

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