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'税金を食べるカバ'は新作路に乗って来るんだね

登録:2012-11-04 09:34 修正:2012-11-04 22:55
[ハ・スンスのアー、緑色!] これ以上作らなくても良い状況なのに計画中の道路だけで5年間に49兆ウォン 想像超越規模…大統領候補たちの‘脱道路宣言’が切実だ
左側の曲線道路が現在は郡道になった旧国道3号線、トンネルに入る直線道路が新しくできた国道3号線、右側の曲線道路が中部内陸高速道路。 代表的な重複道路だ。 緑色連合提供

 幼い時に読んだ小説でよく見た‘新作路’という単語が思い出される。 新しく開通された道を通じて人々が外側と交流して、自動車が通い始める。 その時‘新作路’は何か新しい変化をもたらす感じを与える単語であった。

全国土に碁盤形の高速道路

 しかし今はその新作路があまりにたくさんできて疲弊している。 ソウル~ムン山間民資高速道路ができるという京畿道(キョンギド)高陽(コヤン)・坡州(パジュ)地域では、道路ができれば環境が破壊され村の住民たちが被害を受けるだけでなく税金を浪費されるだけだとし住民たちが反対運動を続けている。 京畿道軍浦(クンポ)にある修理山(スリサン)を貫く水原(スウォン)~光明(クァンミョン)間民資高速道路も議論になってきた。 環境破壊、山崩れ憂慮などが提起されている。

 首都圏だけの問題ではない。 地方に行ったり、名節に田舎に下って行ってみれば新しくできた道路がとても多いということは誰でも感じとることができる。 以前には京釜(キョンブ)高速道路・湖南(ホナム)高速道路・嶺東(ヨンドン)高速道路・西海岸(ソヘアン)高速道路・中部高速道路程度だけ知っていれば良かったが、今や全国土に碁盤形に高速道路ができている。

 既存のくねくねとした国道が一直線の高速道路級の国道に変わっていたりもする。 もちろん‘気持ちの良い道路ができて良かった’と考える人もいるだろう。 しかしこの道路を建設するお金はどこから出てくるのだろうか? 結局ふたを開ければ私たちが出す税金で作られる道路だ。

 土建国家、土建経済. これは我が国でよく耳にする言葉だ。 大韓民国経済に土木建設事業が占める比重があまりにも高いためだ。 我が国の国内総生産(GDP)に占める建設投資の比率は一時20%を超えるほどに高く、今はかなり下がったものの、依然として経済協力開発機構(OECD)平均よりは高いことが明らかになっている。

 このような土建経済を支える核心は政府だ。 4大河川事業で建設会社に大型の仕事を作ったことは一つの例に過ぎない。 その他にも政府はのべつまくなしに土建事業を展開している。 永州ダム・英陽ダム・智異山ダムなど大型ダム建設を依然としてゴリ押ししている。

 飛行機がほとんど離着陸することもないひんやりとした空港もたくさん作った。 例えば開港5年目をむかえた務安(ムアン)国際空港の一日の利用客は300人余りに過ぎず、2011年だけで79億ウォンの営業赤字を出した。 務安国際空港だけでなく地方空港14ヶ所中で11ヶ所が3年連続赤字状態だ。

 このような土建事業で最も利益を得るのは大型建設会社だ。 もちろん彼らが直接工事をするわけではない。彼らは工事を受注した後、外注して利潤を残す。 まったくリスクのない商売をしているわけだ。 結局、大型土建事業の展開は市民が出した税金で大型建設会社の売上と利益を保障することだ。

民資道路に投入された予算は1兆8千億ウォン

 ところが土建予算は簡単には減らない。 利害関係者などが存在し、誤った法・制度がこれを後押ししているためだ。 土建事業の中で最も問題になるものがまさに道路だ。 もうこれ以上道路を作らなくても良い状況なのに、毎年道路を追加建設している。 直接政府予算で道路を建設したり、民資道路という名前で建設したりもする。 しかし名前が民資道路であっても、政府が最低運営収入を保障しているケースが多い。 売上が一定水準に至らなければ税金で収益を保障するということだ。 このような形で民資道路に投入された政府予算が昨年までで1兆8千億ウォンに達する。 事業者の立場から見れば、絶対に損することがないということだ。 このような部分が永く問題になり、政府は一歩遅れて最低運営収入保障制度をなくした。 しかしすでに事業者と協約が締結された事業は継続進行している。 今後も市民の税金で民資道路から発生した赤字を埋めざるを得ないということだ。

 このような状況にも関わらず、政府は道路建設を続けようとしている。 その規模は想像を超越する。 国土海洋部が立てた‘第3次中期交通施設投資計画’(2011~2015)によれば、中央政府は5年間に総額49兆ウォン(その内、国費は34兆3千億ウォン)を越えるお金を道路に投資する計画だ。 政府が国会に提出した2013年予算案にも8兆4千億ウォンが道路建設予算として反映されている。

 総額だけ説明してもピンと来ないかもしれない。 一つ例をあげてみよう。 現在建設中の東洪川(トンホンチョン)~襄陽(ヤンヤン)間高速道路は71.7km区間に2兆7100億ウォンが投入される。 1kmあたり377億ウォンかかるわけだ。 ところで既存の嶺東(ヨンドン)高速道路もあり、44号国道もある。 果たして東洪川~襄陽高速道路にこのように多くのお金を注ぎ込むことが正しいことであろうか?

 このような事例は無数にある。 3号国道を拡幅しておき、まさにその横に中部内陸高速道路を通した慶北(キョンブク)聞慶(ムンギョン)付近も重複道路の代表的な例だ。 重複道路でないとしても、このような形で道路を作り続け自動車中心の交通体系に進むことが望ましいことかという問題もある。 石油価格は上がり気候変化をもたらす二酸化炭素排出も負担になる。 自動車利用を減らさなければならないのに道路を作り続けているとは本当に息が詰まりそうだ。

 事態がこのようになったのは法・制度上の問題も大きい。 道路を作る予算の相当部分はガソリン・軽油に賦課されている交通・エネルギー・環境税から出ている。 1年に12兆~13兆ウォンが徴集される交通・エネルギー・環境税の80%を‘交通施設特別会計’として、その内の半分以上を道路建設に使っている。 毎年きちんきちんとお金が入ってくるので、担当部署である国土海洋部は金を使いやすい。 だから重複して不必要な道路を作り続けられるわけだ。

 もしこのようなお金を道路に使わず他のところに使うならば私たちの暮らしが変わるのではないだろうか? 政府資料に従っても国土面積に対する我が国の高速道路の長さはOECD加盟30ヶ国中の5位、国道は7位に達している。

面積対比高速道路長 OECD 5位

 最近大統領候補が色々な公約を出しているけれど‘道路作りはもう止めた’という公約はまだ出ていないようだ。 考えのある候補ならば‘脱道路’宣言でもするのが正しい。 国家財政も日増しに厳しくなっており持続可能な環境・エネルギー、農業再生、教育、福祉などのために金を使わなければならない所も多い。これ以上道路に注ぎ込む税金はない。

緑色党事務局長

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/558849.html 韓国語原文入力:2012/11/03 10:54
訳J.S(3040字)