26日(現地時間)に発表された「韓米同盟70周年記念韓米首脳共同声明」には、中国を念頭に置いた台湾海峡、半導体、AUKUS(オーカス)などに関する内容が多く含まれている。台湾海峡をめぐる厳しい安保状況を反映するかのように、それに関する表現はより具体的で明確になっている。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の19日付のロイター通信とのインタビュー後、中国が猛反発した台湾については「域内の安保と繁栄の必須要素として、台湾海峡の平和と安定の維持の重要性を再確認した」と述べられている。続けて「不法な海上領有権主張、埋立地域の軍事化および強圧的行為を含め、インド太平洋における一方的な現状変更のいかなる試みにも強く反対した」との内容が加えられている。
韓米首脳の共同声明に台湾海峡が初めて登場したのは、2021年5月の文在寅(ムン・ジェイン)大統領時代だ。当時の表現は「台湾海峡における平和と安定の維持の重要性を強調した」というものだった。ただし大きな違いがある。当時とは異なり、今回は台湾海峡の平和と安定を維持しなければならないとの理由で「域内の安保と繁栄」を提示しているのだ。台湾海峡の平和と関連する「域内」とは、朝鮮半島を包括するものと理解するのが合理的だ。すなわち韓米首脳は、台湾海峡で平和と安定を維持することが、朝鮮半島の安保と繁栄にとっても「必須」であると宣言したわけだ。ただし「一方的な現状変更の試みに強く反対」する対象は、先日のロイターとのインタビューとは異なり、「台湾」ではなく南シナ海を含む「インド太平洋」へと広げている。また、中国が主張する「一つの中国」原則を否定しているかのような誤解を与えうる「台湾海峡問題は国際問題」という表現も抜けている。
米中戦略競争の最重要要素として浮上した「半導体」に関しても具体的に触れられている。両首脳は事実上、半導体を特定し「両国の海外投資審査や輸出規制などで当局間の協力を深める重要性を再確認した」と述べている。中国に対する半導体投資や輸出規制などについての両国間の協力強化を約束したのだ。両首脳はさらに一歩踏み込んで、米国の国家安保担当大統領補佐官と韓国の国家安保室長が率いる「次世代核心・新興技術対話」を立ち上げ、経済安保を高めることで合意した。これも事実上、中国に対する経済・技術面での共同対応を目的としている。
米国、英国、オーストラリアの対中防衛協議体であるAUKUSに対する尹大統領の支持も表明された。尹大統領は「AUKUSの発足を含めた、域内の平和と安全を保障するための米国の協力的努力に対する支持」を示した。